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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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3月18日、日本から環境問題の専門家お二人を招き、アインシャムス大学で環境セミナーを開催。
お二人はそれぞれ、高度成長期の日本の公害、そして日本の里山とサウジアラビアのHIMAと呼ばれる保護区域の比較検討をテーマに発表され、またアインシャムス大学からも環境研究所の副学部長がエジプトの環境マネージメントについて発表した。

日本の経済発展が順風満帆だったわけでなく、多くの犠牲を人々と自然に強いたということが、よく伝わったと思うし、未来の環境保全に向けて伝統知と科学技術の双方を活用していこうという意識も共有できたと思うので、まずまずの会になったと思う。

ただ、参加者の層が大学関係者中心に限定されてしまったのが残念。次回以降は、NGOの活動家や学校の先生など、社会と接点をもって環境の保全に取り組むアクターをたくさんお誘いしたい。参加されたエジプトの学者先生たちが口をそろえて言うように、エジプトの環境問題はたいへんに深刻な状況で、それは政府の取り組み(今回の発表で政府は政府なりにいろいろなプロジェクトでがんばっていることがわかった)だけではどうしようもないのだから。ゴミの出し方、再利用、そして産業廃棄物による健康被害に対する自覚促しなど、より実践的な方法論をめぐって対話できたらいいなと思う。

若い学生を集めて、「もったいないコンテスト」なんてやったら面白いかもしれない。

セミナーが終わって、日本・エジプトの先生方と食事中、エジプト政府が市内の車の駐車取り締まり法を強化したのに、警察は最初の1週間くらいは違反切符を切っていただけで、すぐにもとに戻ってしまったよねとグチったら、エジプトの先生が、「そりゃあ、法律だけ厳しくして駐車場の整備や市内に流入する車数の制限などの対策を同時にとらない限りは、屋上に駐車するわけにいかないんだから、もとに戻っちゃうよね。」とおっしゃる。しごくもっともなことだ。

とにかく、このあふれんばかりの車が引き起こす渋滞と大気汚染をなんとかしてくれー!!

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15日、Semiramis Intercontinental Hotelのクラブ、Rithmoでの2本のライブも、電子ピアノというハンデはあったが、感動的に熱いパフォーマンスだった。ほとんど椅子に座っていなくて、身体を前後左右に揺らしまくって、情熱を鍵盤にたたきつけるクリヤさん。そのほとばしるエモーションは、あっという間にまわりに伝染して、みんなをハッピーにしてしまうのだ。同日、日中にヘルワン大学音楽教育学部でやったマスターコースでも、鍵盤が戻らないボロのアップライトで、若い音楽家の卵たちを熱狂させてくれた。

翌16日、ささやかなお礼として、ピラミッドやハーン・ハリーリを案内し、17日早朝に空港にお送りした。

道中、機関紙の原稿のためのインタビューで、音楽との出会いから現在までを語ってもらった。「音楽なんかじゃない道を選べ」という親をだまして単身渡米。大学で普通の勉強をしながら独学、耳コピでジャズを探求していくうちにいろんな人たちの目にとまりだし、どんどん演奏の機会が増え、気がついたらプロになっていたというライフストーリーは、あんまり痛快すぎて、聞いているだけでこっちまで嬉しくなってしまう。

その一方で、ジャズを生み出し現在もその中心的担い手である黒人が、どれだけの差別を受け悔しい思いをしてきたか、それをつかの間でも忘れ楽しむためにプレイするジャズという音楽の背景を、たくさんの黒人ジャズメンの友人たちを通じて知ることになるクリヤさんの、音楽に対する真剣な向き合い方もまた、ハンパではなかった。この人は、黒人のソウルを理解し、それを表現できる数少ない日本人の一人なのかもしれないと、改めて思った。

その音楽を聴いたら、いろんなイヤなことを忘れて元気になれる、そんなクリヤマジックにかかってしまったら、やみつきになること請け合いだ。日本にいるみなさん、まずは、Tokyo Freedom Soulの帰国後最初のコンサートを聞きにいってみてください!

http://members.jcom.home.ne.jp/tothemax/live/schedule.html
去年はじまったエジプトではじめてのジャズフェスティバルが二年目を迎えた。
去年のフェスが終わって間もない頃、日本のジャズピアニスト、クリヤマコトさんの事務所から、エジプトでぜひ演奏してみたいという希望を受けたので、フェスティバルの主催者と連絡をとってきたのだけど、クリヤさんが連れてきたくれたトリオユニット、Tokyo Freedom Soulの昨日の圧倒的パフォーマンスとエジプトのオーディエンスの熱い反応を見て、この縁をとりもつことができた幸運をしみじみと味わった。

音楽のうねりにあわせて何度も何度も沸き立つ聴衆を見ていると、ジーンと涙腺が緩んでしまうのは、一種の職業病で、自分が演奏しているわけじゃないのに、あんまりにもアーティストに入れ込んでしまうせいで、こういうことになってしまう。

チュニジアとイランでお供したRyu's beat with Kano & Sagaでも同種の感動に酔ったし、言葉を必要としない音楽交流の浸透力に改めてノックアウトされる思いだ。

Tokyo Freedom Soulの熱い熱い、そして猛烈に楽しい演奏だけで十分おなかいっぱいなのに、最後に友情出演してくれたゴスペルシンガー、Brenda Vaughnさんのわしづかみにするヴォイスと、天性と思われる観客のあおりでもって、会場は頂点に達したのだった。本当にかげがえのない、綺羅星のような時間だった。

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主催者のAmro Salahが、「こういう本物の音楽を、エジプトの若者に見せたい。そうしないと、彼らはいつまでたっても音楽は趣味以上ではないと思い続けるだろうから。彼らに来てもらって本当に良かった。」と話してくれ、その言葉にまたジーンときてしまった。

結果的に、Tokyo Freedom Soulが今フェスの目玉になったことは間違いないが、人々の注目度という点で一番すごかったのは、レバノンのZiad Rehbani氏。有名な作曲家を父に、現役最高のアラブ女性シンガーのフェイルーズを母に持つ音楽家サラブレッドの彼は、アラブ的要素を取り込んだジャズを演奏する。彼を見たさに、125エジプトポンド(約2,000円)の高値チケットに2~3000人の人々が押しかけ、僕がたどり着いた開演直前には、まったくステージを見ることさえできないありさまになっていた。

音楽自体は、僕の耳には展開の少ない単調な曲調と全体に後ろノリのリズムが眠気を誘う感じだったが、アラブ人たちの盛り上がり方はすごかった。アラブポップに留まらず、コンテンポラリー音楽の世界でも、アラブに個性的なミュージシャンたちがいて、それを敬愛するファンたちが大勢いることを目の当たりにできたことが、貴重な経験になったと思っている。

ziad.JPG

今日は、大学の音楽教育学部でのマスターコースと、真夜中のクラブ・パフォーマンス。長い、終わってほしくない一日になりそうだ。

アラブの政財界の重要人物を輩出しつづけるカイロ大学政治経済学部。ここのアジア研究センターというユニットが開催する日本研究入門集中講座に、日本から経済学の先生にお越しいただいている。

3コマのなかで、日本の経済発展、日本文化、日本の教育を扱ってほしいという依頼を大学側から受けていたが、教授陣も学生も関心の中心は戦後の日本の高度経済成長の秘密。

昨今、落ち込むところまで落ちた日本のことを思えば、こんなテーマで日本の知恵を求めてくれる地域はそう多くないのが実情。自信をつけまくるアジア、特に韓国や中国は日本を哀れみ、心配してくれるような有様というし。

学生は熱心に聴いてくれるけど、質問やコメントを聞いてみると、どこか他力本願。
「隣国が紛争していて、それに巻き込まれる」
「日本と違って殖民地支配されたダメージが大きいから、大変なんだ」
というような意見が多く聞かれる。

先生と後で話したのは、もう少し、この世代の若い世代が、自分たちで自分たちのおかれている状況を真剣になんとかしようとしないと、何も変わらないよね、というようなこと。一方で高齢化進む日本はといえば、後先長くない世代の厚い保守層が、緊急に求められている改革を妨げているという、また違った事情を抱えている。

お互いが相手の状況をよくよく勉強し、理解し、意見を言い合ったり、助け合ったりするには、もっともっと対話が必要なんだよなー。それをやるだけのリソースも体力も不足しているけど、知恵を絞って、対話の機会をもっと増やしていきたい。


昨日の日記について。

和太鼓の金子竜太郎さん、篠笛の狩野泰一さんはそれぞれにブログでツアーの模様や感想をリアルタイムで書いているので、臨場感たっぷりで面白いです。

ちなみに、狩野さんのブログのイラン公演のYou Tube映像は、僕が撮ったもの。
最初は舞台そでで撮っていたのに、だんだんと興奮してきて、アンコールの客席とのかけあいで、なんとか客席の雰囲気を撮りたくて、幕の陰まで移動してカメラだけ外に出して撮影しました。「プロショットみたいだ。」とおだてられ、ちょっといい気になってます。

金子竜太郎さんブログ:http://ryu-chang-dong-teke.cocolog-nifty.com/
狩野泰一さんブログ:http://www.yasukazu.com/
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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