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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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木曜夜、若者が自由な空気を求めて集うサーウィー文化センターで始まった第二回ロックフェスティバルの様子を覗きに行った。

前情報があまりなく、どんな催しがよくわからなかったのだが、行ってみたらアマチュアバンドのコンペだと判明。よって、演奏レベルは高くない。それでも、自分の言葉で自分の音楽を作っているのは立派なこと。

それに、母音が常に重くついてまわる日本語と違って、子音中心のアラビア語はロックの語法にけっこう自然にマッチしていて、西洋起源のロックと東洋の言葉を無理に接合するという、日本のロックが経験した苦しみはあまりなさそうな印象。

フェスティバルは5日まで。5日には、表彰式とともに、エジプトを代表するロックバンド、アンドロメダの演奏が予定されているそうだ。といっても、アンドロメダはピンクフロイドやパープルのコピー中心だと聞いていて、オリジナリティあふれる純粋アラブバンドというイメージではないのだけれど。
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エジプトの歌を歌う日本人の会、ビラーディーの会は、今夜の基金上級日本語講座の学生さんたちと音楽交流を楽しんだ。

エジプトの学生さんは、「ウサギとカメ」「うみ」など童謡を歌ってくれたほか、谷川俊太郎のわらべ歌や芥川龍之介の「蜘蛛の糸」をたいそう上手に披露してくれた。

ぼくらは、秋祭りで一生懸命覚えた”Salma Ya Salama", "Sadakny khalaas"のほか、うろ覚えの"Ahwak", "Zahaba al-Laylu”まで惜しげもなく披瀝してしまう大胆ぶり。聞かされた学生さんには申しわけないが、こういう機会があると直前とは言えちょっとは練習するので、マシになった気はする。

自由な意見交換になって、学生さんたちに誰でも知っている童謡や古い大衆歌謡を教えてくれと頼んだら、出るわ、出るわ!僕ら外国人が知らないだけなのねー。カラオケ慣れした日本人とは違って音程は整わなかったりするが、歌をしっかり覚えていて、みんなで口ずさんでくれた。

今日、ビラーティーの会が著しい反応を示した歌は、またまたエジプト・フランスのダブル、DALIDAさんの歌で、”Ahsan Naas"。Best Peopleとでも訳すんでしょうか。聞くと、カイロ、アレキサンドリア、イスマイレイヤ、ソハーグなどなど、エジプト各地の名所や人々の性格の美点などを誉めそやし、いやー、それぞれにBest Peopleですねー、と賞賛しある歌だそうだ。歌詞を分析したらきっと、エジプト国民が地方文化とその集合体であるナショナルな文化に対してもっているステレオタイプな郷愁が見えてくるのもきっと面白いだろうと思われる。

というわけで、youtudeで検索したら、ありましたよ。



もう、決定的です!
アビドスのセティ一世葬祭殿のレリーフから見つかった、潜水艦と飛行機とヘリコプターの絵。

IMG_0578.JPG







こんなもの見せられたら、古代エジプトの文明を創造したのはどこか他の惑星の先端的文明の持ち主に違いないと、思わずにはいられません。

って、いきなりオカルトに傾斜しまくりですが、でも、手塚治虫やジュール・ヴェルヌ的な想像力をもってしても、それなりの機械文明がすでに存在していない限りは、こんな飛躍的イマジネーションは働かないでしょ、フツウ。

霊感の強くない僕には、オシリスやセティ一世の気みたいなものを感知することはあんまり出来なかったかもしれませんが、とにかく、このレリーフにはおったまげてしまったのです。


旅のおともに、オンム・クルスームの伝記的小説、I LOVED YOU FOR YOUR VOICEを携行。歌手と詩人の狂おしい許されぬ愛が、冒頭から炸裂しております。読後感想は、またいずれ。


書店DIWANザマーレック店(7月26日通り)で、50枚入り、ほとんど全集でないのこれ?というくらい贅沢なコレクションが、綺麗なケース入りで売っており、迷うことなく買ってしまいました。値段が、なんと、たったの700エジポン!1枚あたり14LE=250円以下!!そりゃあ買いますよ。

CIMG5495.JPGで、こんなに綺麗な箱入りだから、豪華特典(○○ページ解説ブックレットとか、全曲歌詞カードとか)というのが入っていないかなーと期待して開けてみたら、やっぱりありませんでした。そんなのをつけるのは日本くらいのものですかね。しかもそれにめちゃくちゃ付加価値つけて。




CIMG5497.JPGしばらくはオンム・クルスーム三昧になりそうです。

23日から25日まで、グループツアーに乗っかって、アビドス・デンデラ・ルクソールの古代遺跡を見てまわる予定だ。

ファラオニック・エジプトにはもともと興味薄で、ピラミッドと博物館とルクソールを一回ずつ見ておけば満足と思っていたし、いまもそう思っているが、ピラミッドと博物館はお客さんをご案内するために十回以上拝ませていただいたし、ルクソールは、「豪華客船ナイルクルーズの旅」というコピーにつられて、アガサ・クリスティ『ナイルに死す』よろしく、ルクソールからアスワンまでの優雅な客船移動を満喫し、そのまま飛行機でアブ・シンベルまで出かけ、夜のライトアップショーと日の出の御姿を拝見までしてしまい、結果的にはそれなりにファラオニック・エジプトも楽しんでしまっているのだった。

でも、今回のアビドスは、"Omn Sety's Egypt"という本の訳者でエジプトに7年住まわれたエッセイスト、田中真知さんから直接、Omn Setyなるニックネームのイギリス人女性の数奇な物語を聞いてしまってから、行かねばならぬというわりと強い気持ちが持続していたところに訪れたツアー企画だったので、二つ返事で参加したわけ。

それで、日本から調達したこの訳本『転生者オンム・セティと古代エジプトの謎』(Gakken)を、旅に出る前に付け焼刃的に読んでみたら、やはりめっぽう面白い話でした。

オンム・セティが階段から落ちて頭を打ってから古代エジプト18王朝の巫女ベントレシャイトが憑依したというべきか、ベントレシャイトに転生してしまったというべきか、突然古代エジプトの記憶を語りだし、大英博物館の銅像に接吻したり、ヒエログリフを読み始めたりして、ついには英国留学中のエジプト男性と結婚してカイロに住みつき、そしてぐいぐいとファラオの世界に引き込まれていく物語には、やはりグイグイと引き込まれた。

でも、それと同じくらい面白かったのが、アビドスの村に住み着いた彼女が一級の文化人類学者として現在のエジプト人の暮らしをつぶさに観察し、それと古代エジプトの碑文から読み取れる古代人の文化との共通性に光をあてたというくだりだった。以下、本文中から、そのことについてのオンム・セティの言葉を少しひろってみよう。

アビドスでいえば、このあたりの女性は地面にしゃがみこんだ姿勢で出産するんだけど、そのとき手に大きなナイフを持つの。初めてここの村で出産に立ち会ったとき、私は『どうしてナイフを持つの?』と訊いた。すると彼女は『悪霊を寄せ付けないためだ』といった。じつはセティ一世神殿にも女神ムーとがカバの姿で出産するシーンが描かれているのだけど、そのとき女神はしゃがみこんで、手に大きなナイフを持っている。

エジプトの田舎では、赤ん坊が生まれて七日目になると、その子をザルに入れる習慣があります。ザルの中には雑穀や豆や小麦を入れて揺らします。(中略)ルクソール西岸にあるハトシェプスト女王の葬祭殿に、それと同じシーンが残されているわ。冥界の神アヌビスが、子どもを入れたザルを揺らしているの。


カイロの人たちと話していて感じるのは、現代と古代の「断絶」で、うがった見方かもしれないけれど、どうも、彼らは国庫を潤す貴重な観光資源であるファラオニック・エジプトをどう扱っていいかわからずに、もてあましているように思われてならない。ピラミッドなんて、一生で一回、学校の遠足で行ったくらいというのを聞くと、ひとごとながら、なんだか寂しい気持ちになる。

だから、3000年も4000年も前から脈々と続いてきた風習が村にはいっぱい残っていることを知って、安心したというか、少しほっとした。僕のうがった見方は、ものごとの一面しか見ていないのだとわかったから。

英国からの独立期から共和制移行期にかけて、エジプトの知識人の間では、新しく創造しなければならないナショナル・アイデンティティのよりどころとして、イスラームでもなくキリスト教でもなく、特定の党派性をもたずに国民全員がアイデンティティを感じられる可能性を、ファラオ時代に求めたというのを読んでことがある。ナギーブ・マフフーズも、初期の小説ではずいぶん歴史に題材をとっていたし、絵画などアートの世界でもモティーフとしてたくさん採用されたという。

最近読み始めた歌手オンム・クルスームの伝記では、彼女が国民的歌手となった理由の一つに、その「農民の出自」があったと書かれていた。太古から大地とともにある農村の暮らしとそこから生み出されるメロディやリズムには、いかに後発のアラブ的な要素が強く含まれていようとも、遠いファラオの木霊が残っているのかもしれない。

そうやって、太古のエジプトと現在のエジプトをもっと身近につなげて感じることができれば、もっとこの国のことが面白く見えてくるかもしれない。オンム・セティの物語からは、そういうメッセージが聞こえた気がした。



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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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