えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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1ヶ月任期を重ねてカイロに残ってくれている前任のMくんの帰任がいよいよカウントダウンとなった。
引継ぎの締めくくりとしての、カイロの文化や芸術に関係した事業を行う団体の代表者への表敬訪問が、今日から始まった。
1件目は、ザマーレクにあるEl Sawy Culture Wheel。Mくんの説明によると創設者のMohamed A.M. El Sawy氏の父親はかつて大臣を経験した政治家で、Mohamed氏も経済的に不自由することなく、こうして文化や慈善活動に全精力を傾けているという。来月で創設5周年を迎えるこの文化センターは、カイロではそう多くはない民間のイニシアチブによる文化活動の拠点として、いまでは月に100件を超えるプロジェクトを行っているという。
実際、会場でもらった1月のプログラムを見ても、音楽公演、映画上映、ワークショップ、講演会、シンポジウムなどが途切れなく計画されていた。日本で国際交流基金が招聘公演を行ったウード奏者ナシール・シャンマも、よくここで公演するらしい。
12時のアポイントにあわせて到着してみると、Mohamed氏はまさに進行中の子供向け環境教育プログラムの只中にいて、しかもゲストの環境大臣をホストしていて大忙しだった。そんななか、カイロをまもなく離れるMくんに挨拶すべく、時間を作ってこちらに来てくれた。7月26日通りがゲジーラ島の西側でナイル川に面する川岸にしつらえられた施設は、屋外コンサート会場がひとつ、室内オーディトリアムが大・小ひとつずつ、ギャラリーがひとつ、それに図書館からなる文化コンプレックスで、今日は、まもなくはじまるセミナーを前にして、数百人の子供達と来賓たちでごったがえしていた。7月26日通りの喧騒が室内にも若干反響しはするが、ナイル川を背景にコンサートだなんて、興をそそられる日本のアーティストが結構いるかもしれない。
2件目は、Muhammad Mahmoud Khalil Musium。そのまんま美術館の名前になってしまったムハンマド氏は世界の美術品のコレクターで、死後、ご遺族がそのコレクションを美術館という形で一般に公開するようになったものだそうだ。今日訪問したのは別館のOfiq Hallのほうで、こちらは国内外のアーティストの作品展を企画・実施している。僕達を迎えてくれた館長のIhab Ellabban氏は、自身も彫刻家の若き俊英で、この施設の経営をまかされているだけでなく、本年12月に予定されているカイロ・ビエンナーレの総合ディレクターという大役も背負っているという。同氏は、いまだカイロに本格的な日本の美術が紹介されたことがないと嘆き、両国のトップ・アーティストの作品を共通のコンセプトのもとに紹介する展覧会をいずれ開催したいとの希望を力強く述べていた。
この2つの施設を動かす人たちと話していて確認できた共通点は、この若い世代のエジプト人たちが、かつて栄華を誇ったエジプトの文化・芸術の復興を真剣に考えていて、そのために特に若い世代に対して本物を見せ、創作のためのスペースを提供しているということにある。1930年代から60年代くらいまでの、エジプトがアラブの文化的な拠点であった時代のことを先代から語り伝えられた彼らは、現在のエジプトがその地位から転落しつつあることを正確に認識し、現状を憂い、そして復活のために必要な作業を自ら率先して実践している。インドでもこうしたプライベート・セクターで活躍する教養人たちが、欧米世界のファンダーたちから資金その他のサポートを上手に確保しながら、行政とはまた違ったアプローチで文化の再生・活性化にとりくんでいたが、ここカイロでも同じ香りのする人たちががんばっていることを確認できたことがうれしかった。
この先、彼らとどんなことができるかわからないけれど、足しげく出かけてプログラムを楽しみながら、一緒に面白いアイデアを出し合っていきたい。
引継ぎの締めくくりとしての、カイロの文化や芸術に関係した事業を行う団体の代表者への表敬訪問が、今日から始まった。
1件目は、ザマーレクにあるEl Sawy Culture Wheel。Mくんの説明によると創設者のMohamed A.M. El Sawy氏の父親はかつて大臣を経験した政治家で、Mohamed氏も経済的に不自由することなく、こうして文化や慈善活動に全精力を傾けているという。来月で創設5周年を迎えるこの文化センターは、カイロではそう多くはない民間のイニシアチブによる文化活動の拠点として、いまでは月に100件を超えるプロジェクトを行っているという。
実際、会場でもらった1月のプログラムを見ても、音楽公演、映画上映、ワークショップ、講演会、シンポジウムなどが途切れなく計画されていた。日本で国際交流基金が招聘公演を行ったウード奏者ナシール・シャンマも、よくここで公演するらしい。
12時のアポイントにあわせて到着してみると、Mohamed氏はまさに進行中の子供向け環境教育プログラムの只中にいて、しかもゲストの環境大臣をホストしていて大忙しだった。そんななか、カイロをまもなく離れるMくんに挨拶すべく、時間を作ってこちらに来てくれた。7月26日通りがゲジーラ島の西側でナイル川に面する川岸にしつらえられた施設は、屋外コンサート会場がひとつ、室内オーディトリアムが大・小ひとつずつ、ギャラリーがひとつ、それに図書館からなる文化コンプレックスで、今日は、まもなくはじまるセミナーを前にして、数百人の子供達と来賓たちでごったがえしていた。7月26日通りの喧騒が室内にも若干反響しはするが、ナイル川を背景にコンサートだなんて、興をそそられる日本のアーティストが結構いるかもしれない。
2件目は、Muhammad Mahmoud Khalil Musium。そのまんま美術館の名前になってしまったムハンマド氏は世界の美術品のコレクターで、死後、ご遺族がそのコレクションを美術館という形で一般に公開するようになったものだそうだ。今日訪問したのは別館のOfiq Hallのほうで、こちらは国内外のアーティストの作品展を企画・実施している。僕達を迎えてくれた館長のIhab Ellabban氏は、自身も彫刻家の若き俊英で、この施設の経営をまかされているだけでなく、本年12月に予定されているカイロ・ビエンナーレの総合ディレクターという大役も背負っているという。同氏は、いまだカイロに本格的な日本の美術が紹介されたことがないと嘆き、両国のトップ・アーティストの作品を共通のコンセプトのもとに紹介する展覧会をいずれ開催したいとの希望を力強く述べていた。
この2つの施設を動かす人たちと話していて確認できた共通点は、この若い世代のエジプト人たちが、かつて栄華を誇ったエジプトの文化・芸術の復興を真剣に考えていて、そのために特に若い世代に対して本物を見せ、創作のためのスペースを提供しているということにある。1930年代から60年代くらいまでの、エジプトがアラブの文化的な拠点であった時代のことを先代から語り伝えられた彼らは、現在のエジプトがその地位から転落しつつあることを正確に認識し、現状を憂い、そして復活のために必要な作業を自ら率先して実践している。インドでもこうしたプライベート・セクターで活躍する教養人たちが、欧米世界のファンダーたちから資金その他のサポートを上手に確保しながら、行政とはまた違ったアプローチで文化の再生・活性化にとりくんでいたが、ここカイロでも同じ香りのする人たちががんばっていることを確認できたことがうれしかった。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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