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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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27日に続いて28日もカイロの主要文化・芸術機関詣でで出ずっぱり。いくつかの施設は、たとえばオペラハウスのように同じ敷地内にあって移動が楽ではあるにしても、1日に6件のアポイントメントはちょっと疲れた。



訪問先のなかで面白かったのは、Gezira Art Center、Palace of Arts、Beit El-Oud(ウード・ハウス)の3つ。



Gezira Art Centerは、マリオット・ホテルのすぐ傍にあり、昔の宮殿をギャラリーとして使用した文化コンプレックスだ。正面のメイン・ギャラリーには、11世紀ファーティマ朝エジプトから17世紀オスマン・トルコにいたるまでの陶磁器のコレクションが展示されていて、美しく効果的にアレンジされたライティングと相まって、イスラーム美術の極みを堪能させてくれる。オスマン朝の陶磁器ともなると植物などを模した抽象的な文様をモチーフにしたデザインが完成の域に達しているのだが、ファーティマ朝時代の器には、牛やウード弾きの図柄が生き生きと描かれていて、一瞬、インドの陶磁器を見ているような錯覚に陥った。無料で見せてくれるので、休日にゆっくりと来たい場所のひとつである。裏側の3つのギャラリーは企画展のために外部貸し出しをしていて、71年生まれの作家の銅や石を使った彫刻展、74年生まれの作家の銀のジュエリー展など、比較的若い作家にスペースを提供している様子。

0f0cc663jpeg9443404ejpeg建物の裏庭には実験演劇のためのオープン・シアターもあり、メインの伝統物と著しい対象をなしているのが面白かった。






カイロ・オペラ・ハウス敷地内のPalace of Artsは、現在企画されている展覧会を見た限りでは、エジプトの現代芸術の最前線の発信基地という印象。かつて国際交流基金のフェローとして訪日もした作家のMohamed Abou El Nagaさんが、自分の作品を含めて今回の展示作家・作品を丁寧に案内してくれた。Abou El Nagaさんの作品タイトルは"The Lion!"。

0961677djpeg325のライオンを意味する単語を並べたカリグラフィーがまず目に飛び込んでくる。その単語一つ一つに人間がライオンという生き物に仮託した意味の集合が詰まっているということを表現したかったのだそうだ。日本語でそのように数百もの異名をもつ動物がいただろうか、考えてみたい。


bcfc579fjpeg別の作品は、獅子像に被せられた白布が角度を変えて見ると取り払われる仕掛けの上に、もう一つイスラームの古い碑文をかぶせた3Dアート。ライオンも歴史的な貴重な教えも、檻や布でプロテクトしすぎると腐れてしまう。大事なのは変化である。というのがメッセージだそうだ。



同氏の社会貢献活動も世界的に高く評価されているとのことであり、『ニューズウィーク日本版』2007-7・18号「世界を変える社会起業家100人」のなかで、

農産物から紙を作り、アーティストたちの自己表現を支援
-ムハンマド・アブル・ナガー(Muhamed Abou El Naga:エジプト、雇用)

エル・ナフェザ・センター:http://www.elnafeza.com/

というふうに紹介され、紙漉きを通した雇用創出と創作支援で注目を集めているそうだ。いずれ、彼らの活動を視察してみたい。



最後に訪れたのが、世界的ウード奏者、ナシール・シャンマが代表を務めるウード・ハウス。ナシール・シャンマは、国際交流基金による訪日公演やテレビアラビア語会話などでおなじみの人も多いと思うが、カイロを拠点に公演と教育活動を行っているイラク人ウード奏者である。訪日公演をカイロサイドから動かしたM君の帰任挨拶にくっついていく形で、イスラミック・カイロの中心、アズハル・モスクの裏手にあるウード・ハウスに彼を訪ねた。

薄暗く細い路地を抜けたところにある建物から、ランプシェードの明かりとともにウードの深く哀愁を帯びた旋律が漏れてくる。外国人の異国趣味をさっそくに大いに刺激する佇まいのなかから、細身にノーネクタイのスーツを軽く着こなしたダンディーが現れ、僕達を迎えてくれた。東京公演で遠巻きには眺めて見てはいたが、実際に会うと、これが実にカッコイイ。彼のオフィスに通されるとカイロ国際ブックフェアに来ているパレスチナの詩人と出版関係者の一向が先客としていて、ナシールとアラビア語で昨今の難しい政治・社会状況について語り合っていた。ほとんど理解できなかったけれど、受難のただなかにある2つの民族ゆえの共感がそこにはあるようだった。

ここでウードを習いたいと言うと、快く受け入れてくれると言う。実際に習っている知人にあとで聞いたところ、ナシール本人から教えを受けることはほとんどなく、教官となるのはそのお弟子さんらしいが、それは世界中どこでもそういうものだろう。ナシールの優れた人間性とウード・ハウスの佇まいだけで、僕を虜にするには十分すぎたようだ。第二子の出産と育児が軌道に乗り出したら、いずれ門を叩いてみたいと思っている。

http://www.naseershamma.com/
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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