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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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12月21日(日)の夕方、所長と現地スタッフとともに、3件の美術イベントをはしごした。

1件目は、「本」をテーマにした国際ワークショップ&展覧会のオープニングが午後6時30分から。世界中から参加した50名あまりの作家が、自分がイメージする本を制作するという企画のオープニング。主催者はムハンマド・アブンナーガ氏。日本で和紙の紙漉きと和紙アートを勉強してエジプトでも紙にこだわった作品を作るアーティストで、自身、Nafeza(窓)というNGO紙工房を経営している。ここに日系アメリカ人のトーマス松田さん、日本滞在の長い韓国人アーティスト金景秀さんが参加したので、うちの事務所の小さいお財布から滞在費の一部を補助した。トーマスさんは、カイロの街中を歩き、文化遺産や建築物の壁などに和紙をおき、上から圧力をかけてプレスすることによって表面の模様やデザインを写し取るという仕事をしていた。和紙の上に浮かび上がる模様からカイロの町並みや人の息吹が伝わってくる感じがした。金さんの作品は二つあった。一つは遠くから見たらカイロの地図。近づいてみると、青いインクでスタンプされた日付を数万個押すことで線や面が形づくられていることがわかった。その日付は、カイロで制作した日々であり、彼自身のカイロの足跡ということ。もう一つはより本をイメージしたもので、3つの本それぞれにやはり日付がたくさん印字され、表紙には日本語、ハングル、アラビア語でそれぞれ「本」と書かれている。このほかエジプトや他国の作品にも面白い作品がいっぱい。エジプト人作家の石で作った本は、石なのに紙のしなやかな感触が感じられる秀作。思わず触ってみたくなる。

ここのオープニングを駆け足で見て、今度はカイロオペラハウスへ移動。前日の20日から始まっているカイロ・ビエンナーレの表彰式。日本からは彫刻家の山下晴子さんが参加したが、残念ながら受賞はならず。山下さんは1ヶ月前からアスワンに入り、かの地の石を作って作品を制作された。アブシンベルやピラミッドなどに使われた歴史のある石で作品を作るということに重みがある、といったことを山下さんが語っていたのが印象に残っている。グランプリはエジプト人ララ・バラディさんの「希望の塔」。レンガを積み上げて作った未完成の巨大建造物は、カイロ市内にたくさんみられる未完了なまま住人が生活をはじめてしまった家を思わせたり、あるいはレバノンやパレスチナやイラクなどで銃弾を受けた住宅をイメージさせたりもする。この作品も2ヶ月のフェスティバルが終わったら取り壊されてしまう。人工のあらゆるものの儚さを表現したかっただろうか。ララさんは、基金のフェローシップなどで来日経験も何度かあり、日本のカワイイ系サブカルをモチーフにした作品なども作っている。ざっと駆け足で会場を回ってみたら、この地もやはり伝統的なプラスティック・アートよりもメディア・ミックスのインスタレーションが多くて、美術というよりは映画に近いと思わせる作品もいくつかあった。審査員の専門もそっちよりの傾向があり、賞も特に分野で分けていないため、山下さんのようなオーセンティックなアーティストにとって不利な状況であったかもしれない。山下さんは2001年からアスワンの国際彫刻シンポジウムに参加するなど、かれこれ通算では一年ほどアスワンに滞在しているツワモノで、美術を通した二国間の交流にとって少なからぬ貢献をしてくれている。

2件目が終わって、今度はその山下さんをお連れして、オールド・カイロ(コプト教地区)に新しくできたアートギャラリー、DARBのオープニングへ。この一帯が焼き物などの職人の街の一角は、現代のアーティストの発表の場としていい空気をもっていると思う。国際的に活躍するアーティスト、ムアターズ・ナスル氏が作ったスペースで、彼のビデオアート、"The Other Side of A Coin"も置かれていた。1件目と2件目のアーティストもこの会場に流れてきていて、西洋人が多いことを見越してだろうか、屋上のドリンクコーナーには密かにアルコールも用意されていたらしい。酔いが回ったエジプト人アーティストが絡んできて、自分をガマル・アブデル・ナーセルと名乗る。それって、あのナセル大統領の名前とおんなじなんですけど、ほんとうでしょうか・・・・何作ってんのと聞いたら、'stupid great sculptor'とか言って大笑い。やっぱり最近のアートはミックス・メディアで自分にはよくわからないというような話をしながら、2月の自分の彫刻個展に招待したいと言ってくれた。陽気で楽しいおじさんだが、ちょっと酔っ払いすぎだよ、それは。

二階の屋上スペースでは、スーフィーの旋回舞踊タンヌーラのダンサーが、休む間もなく回転し続けていた。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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