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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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カイロ国際映画祭終了。

終了日前日の11/27に、パレスチナ映画『ライラの誕生日』を見る。1時間ちょっとの短い映画だが、小学生の娘をもつ初老の元弁護士現タクシー運転手の一日を小気味よく追いかける。主演はムハンマド・バクリ。アラブ系イスラエル人で、多くのイスラエル映画で悪役を中心に味のある演技をしてきた人であると四方田犬彦さんが書いていた。その四方田さんが数年前、彼を日本に呼んで、エミール・ハビービ著『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』
の一人芝居を見せてくれたことがあった。スクリーンを通してのことだけれど、久しぶりに旧友に会ったような喜びを感じた。映画でのバクリ氏の一日は、タクシーに携帯を忘れてそれを届けろという男に振り回され、車を修理に出している間に近くでテロがあり、被害にあった男を乗せて自分のタクシーは病院に運ばれてしまっていたり、病院に着いてみたらその犠牲者は亡くなっていて、帰りは悲嘆にくれる奥さんを乗せていくことになったり、駐車してライラのケーキを買っている間に車のまわりで結婚パレードがあって、タクシーが赤いリボンで飾られていたり、それこそ悲楽観ではないが悲喜劇のオンパレード。でも、家に帰ってみると、ライラの誕生日をお祝いするのにぴったりのグッズがバクリ氏の手元には残っていました、というオチ。ライラに「どんな一日だった?」と聞かれて、はにかみながら「いつもどおりさ。」と答えるバクリ氏がカッコよかった。

ダウンタウンの映画館、メトロからしばし家の方向に散歩していると、シュルークという仕事上のつきあいのある出版社の書店がある。立ち寄って、アラビア語や英語の本をちらちらと眺める。辞書のコーナーで英語→エジプト方言の辞書発見。英語の小説のコーナーで、パキスタンの作家が書いた"A Reluctant Fundamentalist"という小説とあわせて購入。2階の一角に最近国際交流基金がアラビア語訳をシュルーク社に委託して作ったNHK編の『明治』が平済みになっているのを発見。思わず写真を撮る。

11月30日。出勤して新聞を見ると、閉会したカイロ国際映画祭の結果報告が載っていて、木村文洋監督の『へばの』がデジタル部門銀賞受賞!『ライラの誕生日』は脚本賞。多忙を口実にあまり多くの映画を見れなかったけれど、素敵な出会いがあって良かった。木村監督に祝電ならく祝メールを送る。数日後、カイロから戻った同氏から嬉しい、嬉しい返事をもらった。

この日は、午前11時にアル・ホレイヤ・スクールという私立学校のChildren's Dayのパーティに呼ばれていたので、15分だけのつもりで出かける。校長室に呼ばれ、5分くらい話したら、子どもたちの声がする中庭のほうへ案内された。外に出てみると、そこは二階のバルコニーになっていて、見下ろすと100人強の子どもたちがこちらを向いて手をふっている。校長、教育省のオエラさんとならんで、メイン・ゲストならぬパンダにされていたわけだ。そしてボクの隣には、アラブポップを全開にかけ、頭からヘッドマイクを下げるDJのおにいちゃん。このおにいちゃんはDJをやったと思ったら、次には手品師になり、そのあと腹話術をやって、最後にマペットショー。なんでもこなすスーパーマンは、こうして毎日のように学校や幼稚園を回っているのだろう。実際、うちの娘の通う保育園にも、園児の誕生パーティとかいって、よくマジシャンが来るのだ。2月あたり、ここで中学生向けに日本についてのレクチャーをする約束をさせられてしまったのが、少し気が重いが、子どもたちとお付き合いするのは精神衛生上いいことは間違いない。

11月末、家の契約更改の通告期限。夫婦で悩んだ末、年末に引越し断行を決定。この1年、苦痛でしかなかった偏屈大家とオサラバするのだ。その翌日、12月1日夕刻には引っ越す先の家を訪問し、大家と契約書を交わす。犠牲祭が終わったら、ワタワタと準備することになるだろう。新居の近くには、タダで入れるきれいな花の咲き乱れる公園がある。ここで娘たちを思う存分遊ばせるのだ。

契約は、契約期間とか電話の問題とかで結構モメて、1時間ほどかかる。きびすを返してサウィー文化センターで主催している折り紙教室へ。この日が3回コースの最終日で、前回やった3回コース同様、アレキサンドリア在住のスーパー折り紙青年、イケメンのオサマくん、通称オズオズが講師。前2回はうちの事務所の若干21歳のネヴィンさんがメインで教え、僕らが巡回して指導補助する形だが、この日はオサマの独壇場。視聴率の高い民放Dreem TVの取材も入っていて、オズオズを中心にこれから折り紙がちょっとしたブームになっていくかもしれない。

12月2日は、秋のお茶会。日本人の奥様が中心に週一で練習している茶道同好会の1年に二回(春と秋)の晴れ舞台。カイロ大や基金日本語講座の学生、いけばなの会員、折り紙講座受講者などが来て、15分ばかり、タタミに脂汗をかきながら座り、砂糖の入っていない慣れない薄茶を、おいしそうな作り顔して飲んでくれた。貴重な異文化体験だ。何回かトライしていくうちに、本当に好きになる人が出てくる。きっとそういうものだ。

その後は、12月7日に実施の日本語能力試験の準備、12月1日締切りの公募助成プログラムの申請書とりまとめやらで、珍しく帰宅が10時、11時になる。8日からは犠牲祭となり、世の中は5日から13日まで1週間以上動かなくなる。その前にいろんな仕事を片付ける必要があって、てんやわんや。自分自身も8日から13日まで、念願のルクソール→アスワン→アブシンベルの旅に出かけるから、そのためにも仕事をせっせと片付ける。

12月5日から、"HEAVY METAL ISLAM"の著者、マーク・レビン氏が映画クルーを引き連れてカイロにやってくるらしい。アイマン・ヌールの息子Shadyらのバンドや、女の子だけのメタルバンドなど4つのグループの生活と音楽を取材して、ドキュメンタリーを作るらしい。11日にはサウィーで彼らのライブがあるという。こちらも見たいのはヤマヤマだが、今回は友人の記者Fさんの取材後日談を楽しみにして、古代エジプトにトリップすることにしよう。

11月は、ロンドンで買ってきた、Arvind Dogra著"White Tiger"を読み耽った。知恵をつけて下克上で主人をやっつけて起業する元使用人の物語。今年のブッカー賞受賞のインド人作家のデビュー作。めざましい発展を続けるインドの裏側を描く、ちょっと背筋が寒くなるお話。ボクも下手をすると運転手にやられるかもしれない。。。。

今週は、"A Reluctant Fundamentalist"を読み耽っている。感想はまた今度書くことにしよう。

ということで、これから犠牲祭の休みで長期旅行に出かけます。ブログもしばらくお休みです。

ではでは。


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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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