えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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20日、11日間にわたってカイロ市内13箇所の劇場で繰り広げられた、第20回カイロ実験演劇祭が終わった。
僕ら国際交流基金スタッフは、最終日の正午から7箇所で同時に開演した芝居のうち、エジプトとイタリアの共同制作、”Where doed the Phenix Fly?(フェニックスはどこを飛ぶ?)"を見に行った。前日会場前が中に入れてもらえず憤る人々で溢れ返っていたという報告を聞いていたので、開演予定時間30分前に到着して、いそぎチケットを購入しておいた。ここのチケットは3ポンド(=60円)。アラブ音楽学院で見た芝居は15ポンドだったから、劇団ではなく会場によってチケット代が5倍も違ってしまうという問題があることがわかった。
日中はみな仕事をしているからだろう、前日のような混乱は全くなく、会場付近はまったく静かなものだった。拍子抜けしたわれわれはカフェでお茶を飲んで、開演を待つ。そして開演10分前に改めて会場に行くと、なんと、役者の一人が渋滞に巻き込まれて、時間どおりにはじめられないという。のんびりした人ならいいけど、忙しい人や気の短い人には耐え難い話だろうな。
結局、役者は10分遅れで到着、芝居は12時15分に始まった。
作品の主題は、スーダンの"The Frog's Wings"に似て、自由と解放。言葉はアラビア語とイタリア語で、字幕はない。テキストがわからない上に、身体表現としても目立った様式性や言語的要素が乏しく、作品世界に入っていけない。観客の反応から物語としては悪くなかったということが伺いしれたものの、言語を超えた表現力という点では他の作品より見劣りがしたし、そもそもなんのために言語や文化背景を超えて共同制作に取り組んだのかという、動機が見えてこない作品だった。1作品だけ見て断定することは慎むべきだが、共同制作というジャンルにおけるアジアの先進性を思った。
同日夕刻、オペラハウス・メインホールで閉会式があることになっていたが、時間が公表されていない。招待状を用意してくれると言っていた主催機関の担当者もつかまらなくなり、結局、閉会式はあきらめた。
日が明けて今日、演劇祭のウェブサイトを見ると、審査員団からの結果発表が掲載されていた。
最優秀作品賞:"Grasping the floor with the back of my head"(デンマーク)
最優秀演出賞:Mr. Khaled Galala(エジプト-"The black coffee")
最優秀女優賞:Ms. Rama Al-Isa(シリア)
最優秀男優賞:Abdel Satar El Basri & Yehia Ibrahim (イラク)
最優秀(シノグラフィー)背景画賞;"sub-Zero"(イラク)
最優秀アンサンブル(共演)賞:"Aunt Safia and the monastery"(エジプト)
"The Black Coffee"のハーレド氏が演出賞を授賞したのは妥当。前のブログに感想を書いたとおり、すばらしい作品だった。最後の2つはあまりなじみのないコンセプトだが、とにかく、11カ国11人の審査員団によってこうして評価・授賞が出されるところを見ても、まずまずしっかりしたオーガナイズだと思った。もちろん、開会式までプログラムが公開されない状況を見ても、なかなかにコミットしにくい相手であるという印象はぬぐいきれないが。
個人的には6本の芝居を見たが、言葉がわからないなりに楽しめる作品がほとんどで、カイロっ子の芝居に対する熱い気持ちを含んだ独特の空気を楽しく見て歩いた。
僕ら国際交流基金スタッフは、最終日の正午から7箇所で同時に開演した芝居のうち、エジプトとイタリアの共同制作、”Where doed the Phenix Fly?(フェニックスはどこを飛ぶ?)"を見に行った。前日会場前が中に入れてもらえず憤る人々で溢れ返っていたという報告を聞いていたので、開演予定時間30分前に到着して、いそぎチケットを購入しておいた。ここのチケットは3ポンド(=60円)。アラブ音楽学院で見た芝居は15ポンドだったから、劇団ではなく会場によってチケット代が5倍も違ってしまうという問題があることがわかった。
日中はみな仕事をしているからだろう、前日のような混乱は全くなく、会場付近はまったく静かなものだった。拍子抜けしたわれわれはカフェでお茶を飲んで、開演を待つ。そして開演10分前に改めて会場に行くと、なんと、役者の一人が渋滞に巻き込まれて、時間どおりにはじめられないという。のんびりした人ならいいけど、忙しい人や気の短い人には耐え難い話だろうな。
結局、役者は10分遅れで到着、芝居は12時15分に始まった。
作品の主題は、スーダンの"The Frog's Wings"に似て、自由と解放。言葉はアラビア語とイタリア語で、字幕はない。テキストがわからない上に、身体表現としても目立った様式性や言語的要素が乏しく、作品世界に入っていけない。観客の反応から物語としては悪くなかったということが伺いしれたものの、言語を超えた表現力という点では他の作品より見劣りがしたし、そもそもなんのために言語や文化背景を超えて共同制作に取り組んだのかという、動機が見えてこない作品だった。1作品だけ見て断定することは慎むべきだが、共同制作というジャンルにおけるアジアの先進性を思った。
同日夕刻、オペラハウス・メインホールで閉会式があることになっていたが、時間が公表されていない。招待状を用意してくれると言っていた主催機関の担当者もつかまらなくなり、結局、閉会式はあきらめた。
日が明けて今日、演劇祭のウェブサイトを見ると、審査員団からの結果発表が掲載されていた。
最優秀作品賞:"Grasping the floor with the back of my head"(デンマーク)
最優秀演出賞:Mr. Khaled Galala(エジプト-"The black coffee")
最優秀女優賞:Ms. Rama Al-Isa(シリア)
最優秀男優賞:Abdel Satar El Basri & Yehia Ibrahim (イラク)
最優秀(シノグラフィー)背景画賞;"sub-Zero"(イラク)
最優秀アンサンブル(共演)賞:"Aunt Safia and the monastery"(エジプト)
"The Black Coffee"のハーレド氏が演出賞を授賞したのは妥当。前のブログに感想を書いたとおり、すばらしい作品だった。最後の2つはあまりなじみのないコンセプトだが、とにかく、11カ国11人の審査員団によってこうして評価・授賞が出されるところを見ても、まずまずしっかりしたオーガナイズだと思った。もちろん、開会式までプログラムが公開されない状況を見ても、なかなかにコミットしにくい相手であるという印象はぬぐいきれないが。
個人的には6本の芝居を見たが、言葉がわからないなりに楽しめる作品がほとんどで、カイロっ子の芝居に対する熱い気持ちを含んだ独特の空気を楽しく見て歩いた。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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