えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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さて、EGYPT TODAY誌に、'Dancing with Controversy'というタイトルで紹介されたEgypt Modern Dance Theater Company(エジプト現代舞踊演劇団)の作品は、コンテンポラリー・ダンスの要素をほとんど封印して、はっきりとした物語をもったお芝居として楽しめる内容だった。一言で表現するとすれば、「古き良きエジプト無声映画へのオマージュ」。舞台のしかけとしては、前面に後ろが透けて見える薄い白幕を張り、そこにプロジェクターで映画の白地と黒いプリント傷の映像を投影する。そして幕の後ろで役者たちが映画の登場人物さながらに演技をする。さらに背後には、絵巻式の背景画が用意され、場面ごとに新しい絵が吐き出される。ここで、登場人物の動きは、チャップリン映画よろしく、コマ数の少ないフィルム特有の自然な滑らかさを欠く、角ばったコミカルな形をとり、そして最後までそれを崩さない。一時もゆるむことなく古い無声映画特有の動きを演じてみせる、その身体性へのこだわりに、ダンス・カンパニーとしてのこだわりが見てとれなくもない。
ストーリーは、村に住むある男女が、女の一族の者たちにその逢瀬を目撃され、それが対立する部族同士の許されざる恋だったため、男はその場で射殺され、そして女は風評を避けて、カイロへと流れダンサーになる。都会のクラブで歌い踊る彼女はスターとなるが、ある日、クラブのマネージャーの部屋に呼ばれ関係をせまられ、抵抗しているうちに、マネージャーの女が入ってきて、男を銃殺してしまう。その女は失神した主人公のダンサーにもっていた拳銃を持たせ逃亡。ダンサーは裁判にかけられる。法廷では、検察と弁護士の攻防が繰り広げられるが、当の被告は上の空。ところが最後には、当の真犯人が自首することで、ダンサーは自由の身となる。愛した男との村での逢瀬を思い出し悲嘆にくれる彼女のもとに、彼女のことをずっと見守っていた将校が現れ、プロポーズする。こうして映画はハッピー・エンドで幕を閉じる。
一緒に見に行ったアラビア語のわかる友人が、ときどき現れる字幕を部分的に解説してくれたおかげでもあるが、なによりもサイレント映画特有の身体表現を中心とする非言語コミュニケーションの文法をこの芝居がしっかりと踏襲しているのが、僕でもこの程度にはストーリーの流れを追うことが出来た所以だろう。重要なシーンで使われる叙情的歌謡曲もまた、個人個人というよりは、場に流れる感情表現を補っていたように思う。
惜しむらくは、参照され模倣・パロディー化された各シーンの原典がわかればもっと深い味わいが可能となるのだろうが、それは作者ではなく外国人である自分の問題ではある。
この日は、ハシゴをして、夜10時半(!)からスーダンの劇団を見た。翌日のバーレーンの芝居、そして昨日のエジプトの芝居については、また今度。
それにしても、はじまる前まではまったく全貌の見えなかった実験演劇祭、主催団体の知人に問い合わせて、開会式の前前日にようやく招待状を入手。でも、このときはまだ全体プログラムはできていない。開会式の日、会場でようやく冊子になったプログラムを受領し、翌日からこれを頼りに劇場へ足を運ぶことになったが、劇団のプロフィールや作品のシノプシスなどはまったく入手できない状態。劇場の住所や電話番号も載っていない。外国人が渡り歩くには結構しんどいのだが、それでも立派だと思うのは、期間中毎日、前日の報告と翌日の予定を掲載した"EXPERIMENTAL"という情報誌が会場に置かれていることだ。しかも、これがウェブサイトからpdfファイルでダウンロードできるから、すごい。
http://www.cdf-eg.org/English/exp_theater/index_e.htm
中に入るまでは大変だが、一旦なかに入ってしまえば、居心地の良い空間が用意されているという訳だ。
ストーリーは、村に住むある男女が、女の一族の者たちにその逢瀬を目撃され、それが対立する部族同士の許されざる恋だったため、男はその場で射殺され、そして女は風評を避けて、カイロへと流れダンサーになる。都会のクラブで歌い踊る彼女はスターとなるが、ある日、クラブのマネージャーの部屋に呼ばれ関係をせまられ、抵抗しているうちに、マネージャーの女が入ってきて、男を銃殺してしまう。その女は失神した主人公のダンサーにもっていた拳銃を持たせ逃亡。ダンサーは裁判にかけられる。法廷では、検察と弁護士の攻防が繰り広げられるが、当の被告は上の空。ところが最後には、当の真犯人が自首することで、ダンサーは自由の身となる。愛した男との村での逢瀬を思い出し悲嘆にくれる彼女のもとに、彼女のことをずっと見守っていた将校が現れ、プロポーズする。こうして映画はハッピー・エンドで幕を閉じる。
一緒に見に行ったアラビア語のわかる友人が、ときどき現れる字幕を部分的に解説してくれたおかげでもあるが、なによりもサイレント映画特有の身体表現を中心とする非言語コミュニケーションの文法をこの芝居がしっかりと踏襲しているのが、僕でもこの程度にはストーリーの流れを追うことが出来た所以だろう。重要なシーンで使われる叙情的歌謡曲もまた、個人個人というよりは、場に流れる感情表現を補っていたように思う。
惜しむらくは、参照され模倣・パロディー化された各シーンの原典がわかればもっと深い味わいが可能となるのだろうが、それは作者ではなく外国人である自分の問題ではある。
この日は、ハシゴをして、夜10時半(!)からスーダンの劇団を見た。翌日のバーレーンの芝居、そして昨日のエジプトの芝居については、また今度。
それにしても、はじまる前まではまったく全貌の見えなかった実験演劇祭、主催団体の知人に問い合わせて、開会式の前前日にようやく招待状を入手。でも、このときはまだ全体プログラムはできていない。開会式の日、会場でようやく冊子になったプログラムを受領し、翌日からこれを頼りに劇場へ足を運ぶことになったが、劇団のプロフィールや作品のシノプシスなどはまったく入手できない状態。劇場の住所や電話番号も載っていない。外国人が渡り歩くには結構しんどいのだが、それでも立派だと思うのは、期間中毎日、前日の報告と翌日の予定を掲載した"EXPERIMENTAL"という情報誌が会場に置かれていることだ。しかも、これがウェブサイトからpdfファイルでダウンロードできるから、すごい。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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