えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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以前このブログで紹介したプライベートの文化施設、El Sawy Cultural Wheel(通称Sakia=アラビア語で「車輪」の意味)が創立5周年を迎えるということで、国内外の文化機関の参加を得てフェスティバルが催された。
1月末、次席交代の挨拶に行った際に国際交流基金への参加要請を受け取ったのだが、会期中(2月27日~29日)に出産予定日(27日)が被っているという専ら個人的都合から、どの程度の協力が可能か考えあぐねていたのだった。
というのも、ブースでの組織・事業紹介のほか、ステージでのパフォーマンスなども期待されており、ギター1本もって歌うこともやぶさかではないという、持ち前の出たがり精神が頭をもたげかけたものの、いつ妻が「来た来た」と言い出さぬとも限らない不安を思うと、そのような色気は吹きとんでしまったのだった。
そこで、自分が現場にいなくとも、事務所のスタッフが自前でやれる範囲のアクティビティーで、且つ単なる組織紹介ブース以上に面白いことを考えることとし、折り紙と凧作りのワークショップを企画した。凧作りは、2月初旬に招いた大橋栄二・瑛子ご夫妻からいただいた免許皆伝を頼りに、会期前日にみんなで1時間程度練習した。折り紙も、オプションを拡げすぎるとボロが出るので、あらかじめアイテムを限定して、やはり2時間程度、みっちりと練習した。選んだアイテムは、鶴、キャンディボックス、風船、あやめ、カエルの5つ。折り紙に強いY職員が「比較的簡単」といって選んだピースだったが、なかなかに複雑なパートがいくつかあって、頭をひねりつつなんとか仕上げることができた。凧も折り紙も、そうした準備作業からしてすでに、笑いの絶えない楽しい時間が流れた。
会場にはブリティッシュ・カウンシルやゲーテ・インスティテュート、セルバンテス協会など各国の文化機関のブースがすでに出来上がっていたが、どこもパンフレットやジャーナルを置きポスターを貼っているくらいで、我々のような参加型の企画は見られなかった。その結果、来客のほとんどが国際交流基金のブースに群がる大活況を呈し、スタッフは嬉しい悲鳴を上げながら、制作指導に精を出した。折り紙にしても、凧にしても、素材が具体的なシェイプを見せたときに顔に浮かぶ喜びを発見したとき、我々も一緒に喜ぶことができるのが醍醐味だろうと思う。
そして、どちらもコンパクトな素材とわずかなスペースでたくさんの人たちの参加を得られるのが良い。このような資質は、日本文化特有のものかもしれない。職業柄われわれはハイ・アートを志向しがちだが、かといって予算や準備時間の制約のため、そうしょっちゅう舞台モノや展示モノを組めるわけでもない。コンパクトさと機動性をもち、そして我々スタッフの一定の修練でワークショップを用意できるという点で、折り紙や凧は昔も今も貴重な文化紹介ツールだ。そんな「常識」を再確認できたので、今後、週に1つでも新たに折り紙を覚えていくようにしていきたいものだ。
なお、大橋師匠からお墨付きをもらった我々だが、カイロで凧を作るに際して悩ましいのは素材の調達だ。凧糸からしてあれほどの強度のものを探すのに苦労してしまう。なんとかかんとか見劣りしないものを見つけられるのだが、困ったのが竹ひごの代用品探し。あれこれ市場調査をした結果、とりあえず落ち着いたのが「ケバブ串」。竹ひごの2倍程度の太さと重さがあって、オリジナルと比べると随分浮力を削いでしまうのだが、当面はこれで行こうと思っている。
ワークショップに精を出していると、舞台上でインドのシェーナイそっくりの笛二本と太鼓に続いて、竹刀のような棒をもった屈強が男たちが群舞を始めた。笛はミズマールといい、太鼓はインドとは違う両面打ちだが、名前は同じでタブラと言う。面白いので写真を撮っていると、踊り手の一人が舞台から降りてきて、僕の手をとり舞台に誘導する。結局、出たがりの僕はその気になって、棒をもって見よう見真似で彼らの踊りの輪に入り、気持ちいい一汗をかいた。つい1,2週間前まではジャンパーを着て震えていたカイロの夜は、いまやナイルの涼風が心地よい春の風情を帯びている。この祝祭すべてが、つい数日前に誕生した新しい命を祝福してくれているような気がして、凧と折り紙に忙殺されるスタッフを横目に踊り続けた。
1月末、次席交代の挨拶に行った際に国際交流基金への参加要請を受け取ったのだが、会期中(2月27日~29日)に出産予定日(27日)が被っているという専ら個人的都合から、どの程度の協力が可能か考えあぐねていたのだった。
というのも、ブースでの組織・事業紹介のほか、ステージでのパフォーマンスなども期待されており、ギター1本もって歌うこともやぶさかではないという、持ち前の出たがり精神が頭をもたげかけたものの、いつ妻が「来た来た」と言い出さぬとも限らない不安を思うと、そのような色気は吹きとんでしまったのだった。
そこで、自分が現場にいなくとも、事務所のスタッフが自前でやれる範囲のアクティビティーで、且つ単なる組織紹介ブース以上に面白いことを考えることとし、折り紙と凧作りのワークショップを企画した。凧作りは、2月初旬に招いた大橋栄二・瑛子ご夫妻からいただいた免許皆伝を頼りに、会期前日にみんなで1時間程度練習した。折り紙も、オプションを拡げすぎるとボロが出るので、あらかじめアイテムを限定して、やはり2時間程度、みっちりと練習した。選んだアイテムは、鶴、キャンディボックス、風船、あやめ、カエルの5つ。折り紙に強いY職員が「比較的簡単」といって選んだピースだったが、なかなかに複雑なパートがいくつかあって、頭をひねりつつなんとか仕上げることができた。凧も折り紙も、そうした準備作業からしてすでに、笑いの絶えない楽しい時間が流れた。
会場にはブリティッシュ・カウンシルやゲーテ・インスティテュート、セルバンテス協会など各国の文化機関のブースがすでに出来上がっていたが、どこもパンフレットやジャーナルを置きポスターを貼っているくらいで、我々のような参加型の企画は見られなかった。その結果、来客のほとんどが国際交流基金のブースに群がる大活況を呈し、スタッフは嬉しい悲鳴を上げながら、制作指導に精を出した。折り紙にしても、凧にしても、素材が具体的なシェイプを見せたときに顔に浮かぶ喜びを発見したとき、我々も一緒に喜ぶことができるのが醍醐味だろうと思う。
そして、どちらもコンパクトな素材とわずかなスペースでたくさんの人たちの参加を得られるのが良い。このような資質は、日本文化特有のものかもしれない。職業柄われわれはハイ・アートを志向しがちだが、かといって予算や準備時間の制約のため、そうしょっちゅう舞台モノや展示モノを組めるわけでもない。コンパクトさと機動性をもち、そして我々スタッフの一定の修練でワークショップを用意できるという点で、折り紙や凧は昔も今も貴重な文化紹介ツールだ。そんな「常識」を再確認できたので、今後、週に1つでも新たに折り紙を覚えていくようにしていきたいものだ。
なお、大橋師匠からお墨付きをもらった我々だが、カイロで凧を作るに際して悩ましいのは素材の調達だ。凧糸からしてあれほどの強度のものを探すのに苦労してしまう。なんとかかんとか見劣りしないものを見つけられるのだが、困ったのが竹ひごの代用品探し。あれこれ市場調査をした結果、とりあえず落ち着いたのが「ケバブ串」。竹ひごの2倍程度の太さと重さがあって、オリジナルと比べると随分浮力を削いでしまうのだが、当面はこれで行こうと思っている。
ワークショップに精を出していると、舞台上でインドのシェーナイそっくりの笛二本と太鼓に続いて、竹刀のような棒をもった屈強が男たちが群舞を始めた。笛はミズマールといい、太鼓はインドとは違う両面打ちだが、名前は同じでタブラと言う。面白いので写真を撮っていると、踊り手の一人が舞台から降りてきて、僕の手をとり舞台に誘導する。結局、出たがりの僕はその気になって、棒をもって見よう見真似で彼らの踊りの輪に入り、気持ちいい一汗をかいた。つい1,2週間前まではジャンパーを着て震えていたカイロの夜は、いまやナイルの涼風が心地よい春の風情を帯びている。この祝祭すべてが、つい数日前に誕生した新しい命を祝福してくれているような気がして、凧と折り紙に忙殺されるスタッフを横目に踊り続けた。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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