えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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アラブ諸国のなかで、イスラエルと国交を結んでいる国が2つだけある。ヨルダンとエジプトだ。
エジプトの場合、1978年9月17日のキャンプ・デーヴィッド会談で、カーター米大統領の仲介のもと、ベギン・イスラエル首相とアンワル・サダト・エジプト大統領が和平合意に達し、それを受けて翌1979年に両国の間で平和条約が締結された。
中東を旅行する際、イスラエルの入管スタンプが押されたパスポートをもっていると、ほとんどの国で入国を拒否されるとういが、ヨルダンとエジプトについては、国交があるがために、こうした問題は起こらない。
サダトにとってみれば、1973年の第四次中東戦争で形式的には勝利し、シナイ半島を奪還したものの、国防・軍事に投じる支出増大が国の経営を圧迫し、国民の福祉や経済成長のために十分な投資ができないことが問題だった。ナセルの社会主義経済の弊害を除去しながらエジプトを国際経済に合流させていく流れを作るうえで、隣国イスラエルとの和平による頭痛の種の除去は、エジプト一国のことを考えれば合理的な判断だったと評価されることが多い。
国交があるというから、両国関係は穏やかで暖かなものかと思いきや、世論を眺めていると、そういうことでもないらしい。
2月29日のEgyptian Gazetteの記事、'Egypt's bestseller opposes cultural ties with Israel(エジプトのベストセラー作家、イスラエルとの文化交流に'NO')'を読んで、エジプト人が両国関係を「冷戦」(Cold War) ならぬ 「冷たい平和」(Cold Peace)と呼ぶ理由がわかった。
同紙によると、"Yacoubian Building"、"Chicago"の2つの小説をベストセラーにし、現代エジプト文学をリードするAlaa el Aswaniは、エジプト国際経済フォーラム主催のセミナーにおいてこう発言した。
「私のこの2つの作品のヘブライ語への翻訳は、エジプトとイスラエルの関係の正常化の結果としてありえるが、ユダヤ人の国家がアラブの土地を占領している間は私はこれを拒否する。」
国家同士は和平を結んだが、この国の多くの有識者や市民は、占領をいまいましく思い、文物が両国間を自由に往来するような普通の国交(ノーマライゼーション)を拒絶していることがわかる。
最近では、国の代表者でさえも、両国の外交関係を否定するような発言をして、物議を醸している。
昨今、メディアをにぎわしているのは、ファルーク・ホスニ文化大臣の国会答弁に対するイスラエルからの批判問題。国会において、エジプト中の本屋や図書館にイスラエルの本が溢れているというイスラーム同胞団所属議員からのコメントに反応して、ファルーク大臣は「もしもそのような本が存在していたとしたら、私は全て燃やし尽くしてしまうだろう。」と反論した。これを受けて、イスラエル政府およびアメリカのユダヤ系ロビー組織SImon Wiesenthal Centerが強い抗議を表明し、こうして事件はメディアで大々的に報道されることになった。
イスラエルはもちろん、各国の指導者の自国に対する発言に神経質で、強烈なイスラエル批判や自分たちのイメージを著しく貶めるような表現に対しては、必ず抗議を表明する。それにしても今回の抗議が特に激しいのは、ファルーク氏が松浦氏を次いで時期ユネスコ事務局長に選出される公算が高いという点も影響している。このように多言語の出版・文化を否定するような人物に、文明間の対話や相互理解を推進するユネスコのリーダーは務まらない、とういのだ。
イスラエルとパレスチナの和平への道は途方もなく険しいが、国交を結ぶイスラエルとエジプトの間の真の平和への道のりも、なかなかに厳しいものがあるようだ。
エジプトの場合、1978年9月17日のキャンプ・デーヴィッド会談で、カーター米大統領の仲介のもと、ベギン・イスラエル首相とアンワル・サダト・エジプト大統領が和平合意に達し、それを受けて翌1979年に両国の間で平和条約が締結された。
中東を旅行する際、イスラエルの入管スタンプが押されたパスポートをもっていると、ほとんどの国で入国を拒否されるとういが、ヨルダンとエジプトについては、国交があるがために、こうした問題は起こらない。
サダトにとってみれば、1973年の第四次中東戦争で形式的には勝利し、シナイ半島を奪還したものの、国防・軍事に投じる支出増大が国の経営を圧迫し、国民の福祉や経済成長のために十分な投資ができないことが問題だった。ナセルの社会主義経済の弊害を除去しながらエジプトを国際経済に合流させていく流れを作るうえで、隣国イスラエルとの和平による頭痛の種の除去は、エジプト一国のことを考えれば合理的な判断だったと評価されることが多い。
国交があるというから、両国関係は穏やかで暖かなものかと思いきや、世論を眺めていると、そういうことでもないらしい。
2月29日のEgyptian Gazetteの記事、'Egypt's bestseller opposes cultural ties with Israel(エジプトのベストセラー作家、イスラエルとの文化交流に'NO')'を読んで、エジプト人が両国関係を「冷戦」(Cold War) ならぬ 「冷たい平和」(Cold Peace)と呼ぶ理由がわかった。
同紙によると、"Yacoubian Building"、"Chicago"の2つの小説をベストセラーにし、現代エジプト文学をリードするAlaa el Aswaniは、エジプト国際経済フォーラム主催のセミナーにおいてこう発言した。
「私のこの2つの作品のヘブライ語への翻訳は、エジプトとイスラエルの関係の正常化の結果としてありえるが、ユダヤ人の国家がアラブの土地を占領している間は私はこれを拒否する。」
国家同士は和平を結んだが、この国の多くの有識者や市民は、占領をいまいましく思い、文物が両国間を自由に往来するような普通の国交(ノーマライゼーション)を拒絶していることがわかる。
最近では、国の代表者でさえも、両国の外交関係を否定するような発言をして、物議を醸している。
昨今、メディアをにぎわしているのは、ファルーク・ホスニ文化大臣の国会答弁に対するイスラエルからの批判問題。国会において、エジプト中の本屋や図書館にイスラエルの本が溢れているというイスラーム同胞団所属議員からのコメントに反応して、ファルーク大臣は「もしもそのような本が存在していたとしたら、私は全て燃やし尽くしてしまうだろう。」と反論した。これを受けて、イスラエル政府およびアメリカのユダヤ系ロビー組織SImon Wiesenthal Centerが強い抗議を表明し、こうして事件はメディアで大々的に報道されることになった。
イスラエルはもちろん、各国の指導者の自国に対する発言に神経質で、強烈なイスラエル批判や自分たちのイメージを著しく貶めるような表現に対しては、必ず抗議を表明する。それにしても今回の抗議が特に激しいのは、ファルーク氏が松浦氏を次いで時期ユネスコ事務局長に選出される公算が高いという点も影響している。このように多言語の出版・文化を否定するような人物に、文明間の対話や相互理解を推進するユネスコのリーダーは務まらない、とういのだ。
イスラエルとパレスチナの和平への道は途方もなく険しいが、国交を結ぶイスラエルとエジプトの間の真の平和への道のりも、なかなかに厳しいものがあるようだ。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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