えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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今年の中東日本語教育セミナーが、やっと終わった。
年に一度、中東全域の日本語教育関係者をカイロに招いて、二日間、日本語教育の理論や実践的知識の伝授、そして教師間のネットワーク作りの支援を行う機会で、エジプトからの参加者を含めて50人ばかりが熱心に参加してくれている。
特に問題なく終わったと言いたいところだが、会場となったホテルでの食あたり事件には参った。
顔合わせの夕食会、ぼくたちだけのために作られたビュッフェの食事を食べ、みんな旧交を温め翌日からのセミナーに意欲を燃やしていたのだが、翌朝になって半数以上がおなかを壊してしまった。ちょっとトイレが近いという軽い症状の人から、動けなくて部屋で寝ている人まで、程度の差はあれ、多くの人がセミナーに良好な体調で望めなくなったことは確かだ。そして、原因がホテルが出した食事しかないことは、状況証拠として確実なのである。
ところが、ホテルの責任者を呼んで抗議しても、「同じ食事をアメリカ大使館に出しているから、うちの食事が問題ということはない。」などとシラを切って、絶対に頭を下げない。これが日本だったら、保健所を呼んで、原因調査を徹底的にやってもらい、そんなゴタゴタを聞きつけたメディアの取材が入り、経営者がテレビカメラの前でペコリと頭を下げ・・・といった一連の流れが続くわけで、最近はこれのオンパレードなわけだが、ここでは、保健所が出動するなどということはない。もしかしたら死者が出ても、ホテルはシラを切り続け、公的な介入は起こらないのかもしれない。
翌日、カイロ在住の日本語の先生の自家用車のボンネットから火がでた。幸い、エジプトの車には消火器の搭載が義務付けられており、周囲の車から消火器をもった人たちがやってきて火を消してくれたそうだが、このとき、まわりにいっぱいいた警察官の誰一人、手をかしてくれることはなかったという。交通事故の被害者になっても、警察は微動だにせず、加害者もとうてい自分には背負えない負担に怯えて逃げ出すわで、車の修理や医療費は結局自分が負担することになる。
日本では、よく整備されたシステムと高い社会モラルの結合が、食や交通、医療などの基本社会サービスを世界最高水準のものにしていたが、国際競争の激化と政府機能の縮小などの影響で、陰りが見えはじめている。耐震偽装、食品偽装など、市民を驚愕させる事件が相次いでいるが、この流れをそのままにしておくと、先にあげたような恐ろしい状況になっていかないとも限らない。食を中心とする消費者保護、原因解明のための公権力の適正な介入、民事上の紛争の公正な調停システムは、ひとびとが安心して暮らすためになくてはならないものだということがよくわかる。日常は気づかないことだが、事故が起きたときはじめて、そういう社会の基本的セーフティネットにありがたみを痛感することになる。
「自分の身は自分で守れ。」カイロに来てまもない頃から、いろんな人から言われた。しかし、目に見え予測できる危険に対しては準備のしようもあるが、ホテルの食事が当たらないかどうかなんて、あからさまな臭気でも出てこない限り、わかりようがない。
なんともやるせない、数日間だった。
年に一度、中東全域の日本語教育関係者をカイロに招いて、二日間、日本語教育の理論や実践的知識の伝授、そして教師間のネットワーク作りの支援を行う機会で、エジプトからの参加者を含めて50人ばかりが熱心に参加してくれている。
特に問題なく終わったと言いたいところだが、会場となったホテルでの食あたり事件には参った。
顔合わせの夕食会、ぼくたちだけのために作られたビュッフェの食事を食べ、みんな旧交を温め翌日からのセミナーに意欲を燃やしていたのだが、翌朝になって半数以上がおなかを壊してしまった。ちょっとトイレが近いという軽い症状の人から、動けなくて部屋で寝ている人まで、程度の差はあれ、多くの人がセミナーに良好な体調で望めなくなったことは確かだ。そして、原因がホテルが出した食事しかないことは、状況証拠として確実なのである。
ところが、ホテルの責任者を呼んで抗議しても、「同じ食事をアメリカ大使館に出しているから、うちの食事が問題ということはない。」などとシラを切って、絶対に頭を下げない。これが日本だったら、保健所を呼んで、原因調査を徹底的にやってもらい、そんなゴタゴタを聞きつけたメディアの取材が入り、経営者がテレビカメラの前でペコリと頭を下げ・・・といった一連の流れが続くわけで、最近はこれのオンパレードなわけだが、ここでは、保健所が出動するなどということはない。もしかしたら死者が出ても、ホテルはシラを切り続け、公的な介入は起こらないのかもしれない。
翌日、カイロ在住の日本語の先生の自家用車のボンネットから火がでた。幸い、エジプトの車には消火器の搭載が義務付けられており、周囲の車から消火器をもった人たちがやってきて火を消してくれたそうだが、このとき、まわりにいっぱいいた警察官の誰一人、手をかしてくれることはなかったという。交通事故の被害者になっても、警察は微動だにせず、加害者もとうてい自分には背負えない負担に怯えて逃げ出すわで、車の修理や医療費は結局自分が負担することになる。
日本では、よく整備されたシステムと高い社会モラルの結合が、食や交通、医療などの基本社会サービスを世界最高水準のものにしていたが、国際競争の激化と政府機能の縮小などの影響で、陰りが見えはじめている。耐震偽装、食品偽装など、市民を驚愕させる事件が相次いでいるが、この流れをそのままにしておくと、先にあげたような恐ろしい状況になっていかないとも限らない。食を中心とする消費者保護、原因解明のための公権力の適正な介入、民事上の紛争の公正な調停システムは、ひとびとが安心して暮らすためになくてはならないものだということがよくわかる。日常は気づかないことだが、事故が起きたときはじめて、そういう社会の基本的セーフティネットにありがたみを痛感することになる。
「自分の身は自分で守れ。」カイロに来てまもない頃から、いろんな人から言われた。しかし、目に見え予測できる危険に対しては準備のしようもあるが、ホテルの食事が当たらないかどうかなんて、あからさまな臭気でも出てこない限り、わかりようがない。
なんともやるせない、数日間だった。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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