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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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現代日本写真展の開催、日本からの専門家受け入れによる講演会の実施など、それなりに忙しい日々をくぐりぬけ、待ちに待った夏休みがやってきた。カイロに来て初めての夏休みはシリアで過ごした。

5泊6日という強行軍だったが、ダマスカスに住む友人や彼女が紹介してくれた現地旅行代理店の助言を得て、

アレッポ(2泊)→アパメア→ハマ→クラック・デ・シュバリエ→
パルミラ(1泊)→マアルーラ→ダマスカス(2泊)

という8箇所巡りを実現することができた。

2歳と0歳の娘をしょいながら、城や山を登り、曲がりくねった中世の路地をさ迷い歩くのは、根をあげそうにシンドイ瞬間もあったにせよ、振り返れば忘れがたき印象を残した。文明の十字路として、5000年以上前から文物が行き交う地であったシリアは、古代の偶像崇拝期、ユダヤ教期、キリスト教期、イスラム教期の歴史的遺物が重層的に堆積していて、街をそぞろ歩くだけでその歴史的変遷を体感することができる。

アレッポのシンボル、アレッポ城は、紀元前2000年頃のネオ・ヒッタイト族までさかのぼることができるという。アパメアの神殿跡は、紀元前3世紀、アレキサンダー大王が築いた帝国を受け継ぐセレウコス朝シリアのもの、シリア一の観光地パルミラはローマ帝国とペルシャ帝国に挟まれながらも独立した帝国を繁栄させた往時の栄光を偲ばせる。ダマスカスのウマイヤド・モスクは、ウマイヤ朝時代715年に建てられた最古の部類に属するモスクで、それ以前に聖ヨハネ教会として使われていたため、二つの宗教様式が融合した建築となっている。

もっとも感動的だったのが、マアルーラ。ダマスカスから北西に約50キロ。標高1650mの隔絶された山間いに、イエス・キリストが話した言語とされるアラム語を今も使うコミュニティが生きている。ギリシャ・カトリックの聖セルジウス修道院と、ギリシャ・オーソドックスの聖テクラ修道院の二つを訪ねた。聖セルジウス修道院の売店では、アラム語の賛美歌をおさめたCDを発見。この旅の目的のひとつが達成された。なぜかというと、インド駐在中に友情をあたためたロック・バンドIndian Oceanの代表曲"KANDISA"が、このアラム語で歌われているからだ。起源二世紀にシリアからインド南部ケーララに渡り、今もインドの教会でアラム語で歌い継がれている賛美歌を、バンドのベーシスト、ラフルが編曲し、現代的アレンジでよみがえせた。いまは遠くつながりの薄いインドとアラブ世界が、古代にはさまざまな人やモノの交流でつながっていた証左を、ぼくたちは耳で確かめ、心を共鳴させることができる。今回のシリア旅行では、このKANDISAの原曲を探したかった訳だが、ずばりとはいかないまでも、現在のシリアに残るアラム語の讃美歌を音源として入手することができた。2枚購入し、1枚をインドに送る予定。

もうひとつのシリアの楽しみは食。よくレバシリと称して、アラブ料理の最高峰をレバノンとシリアに求める説があるが、頭よりも胃袋で実感。食材のおいしさ、調理法、盛り付け、すべてにわたって、芸術的。アレッポで食べた、ナスと肉のバーベキュー、そして旅行中5杯も飲んだレモンジュースとミントのミックス(POLO)が絶品。そして、最後にダマスカスの有名なお菓子やさん、SEMIRAMISで買ってかえったお菓子たちのおいしいこと。もういちど、このお菓子のためだけに訪ねたいくらいである。

国際政治の世界では、いつもアメリカに目をつけられ、傍からみると危険な国のようにおもわれがちだが、エジプト人より控えめで、そしてエジプト人同様に日本人好き、そしてホスピタリティに満ち溢れた人々にもてなされ、忘れられない旅ができることうけあいである。自身をもって、シリア旅行をオススメしたい。

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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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