忍者ブログ
えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
[196] [195] [194] [193] [192] [191] [190] [189] [188] [187] [186]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨日のタハリール広場。うちの事務所が歩いてすぐなので、ツイッターで暴徒が千人単位で襲ってきたことを知って、警備員や運転手に混じって様子を見に出かけた。ネットにあがっている至近距離からの映像を目撃できる距離までは危なくて接近しなかったが、遠目にも大混乱の様子がよくわかった。

そして今朝。車でタハリール広場を通ったら、テントもデモしていた人たちも元気だった露天商も、みんなきれいさっぱり掃除され、兵隊さんとおまわりさんが大勢でいったいを監視していた。

こうやって、権力は、昨日までの出来事を人々に忘却させるんだなー。事務所に着くと、昨日僕をボディーガードしてくれた警備員も運転手もみんな、大喜びなのだ。昨日も書いたが、ムバラク退陣から1ヶ月たって、革命を継続して独裁政権のうみをすべて搾り出そうとする革命勢力と、普通の市民生活への復活を望む一般市民との温度差が大きくなっていることを痛感した。

タハリールのデモは誰にも危害を加えていないんじゃないかと事務スタッフの女性に聞くと、市民の感覚としては、そのデモが続いているおかげで、工場労働者や公務員など職業団体が相次いで便乗デモをやって、そのせいで一向に社会経済活動がもとに戻らない。おかげで自分たちもくいっぱぐれる。というところのようだ。各地で衝突を誘発させて治安面での不安を煽るのも、旧支配者層の常套手段で、今回も普通に戻りたい市民の気持ちをよーくわかっていて、巧みに不和の素を注入して人心を乱しているわけだ。

カイロ大学のデモも日本の大学紛争を彷彿とさせる盛り上がりで、NDPの薫陶を受けた学長、学部長らの即刻退陣と公選制導入をかかげて座り込んでいたが、近所から現れた暴徒に襲われ、ここでも夜のデモを控えることになったと報道されている(
リンク:Ahram Online)。

タハリールやカイロ大学で組織された暴徒たちがどういう人たちで、どの程度NDPら旧支配層に操られているのかは不明だが、市民のなかに攻撃されたデモ隊に対する同情が薄れていることが問題で、この1ヶ月の市民革命の成果が道半ばで保守的ゆり戻しを余儀なくされることになりそうだ。さきほどの一流大学の日本語学科卒業のうちのスタッフが言うに、自分の友人のなかにもこの革命がアメリカとイスラエルとハマスとイランによって仕組まれていると信じて疑わなくて、そしてこれ以上不安な生活を続けるのは嫌だからタハリールが一掃されて嬉しいと思っている人がいるのだそうな。

メディアも革命を通してずいぶんと姿勢を変えたが、政府系はいまだに体制に都合のよいバイアスがかかっているし、独立系は組織力・取材能力の低さのせいか、本当の事実に肉薄できていないとは、先のスタッフの見立て。確かに、昨日のNile Internationalの報道、僕の耳が間違っていなかったら、タハリールに現れた暴徒を軍が逮捕したと報じていたが、デモ現場で被害にあった人たちのツイッター証言を信じれば、事実はまったくの正反対で、軍は中立とはいいがたく、暴徒と一緒になってテントを破壊し、デモ隊の何人かを拘束し、考古学博物館に連れていって拷問を加えたことになっている。革命勢力は、これから先、メディア戦略を立て直して、事実が市民に広く知られるようにしていかないと、この強力な反動の流れを食い止めることが難しいだろう。

ただ、ストリートを離れて政治プロセスの進展をみると、いまも改革のスピードは持続しているようにも見える。同じAhramの報道では、NDPの幹部の多くが辞任し、すでに政党として死に体になっていると言っている。解党して、改革派の市民受けのいい人間が新しい党を作ったほうがいいと、辞めた幹部が話している(
リンク:Ahram Online)。出馬しないと言っていたエルバラダイが突如大統領選出馬に意欲を示した。アムル・ムーサも、若者文化のホームグランドEL SAWY CULTURE WHEELであふれんばかりの聴衆に迎えられたとか。

今日のツイッター、英語でフォローできるコミュニケーションを見る限り、デモを組織していた人たちは水曜日の事件のショックがよほど大きかったのか、恒例の金曜礼拝の後の大規模デモを予感させるような情報はまったく入ってきていない。アジトで戦略の建て直しをはかっているか。復活を期待したい。

PR
COMMENT
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
う~~~ん。難しい。複雑だ。
平和ボケしている日本人には本当に難しい問題に感じます。でも、たぶんエジプトに住んでいるエジプト国民にとっても、いったい何を信じて何に向かっていけばいのか・・・という時期なのかもしれませんね。はぁ~・・・がんばれ!エジプト!!
やもり URL 2011/03/11(Fri)10:29:01 EDIT | RES
TRACKBACK
TrackBack URL:
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新コメント
[05/13 Backlinks]
[12/27 すっかる]
[12/26 やもり]
[11/25 すっかる]
[11/25 跡部雄一]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
すっかる・ちーにー・しゅがー
性別:
男性
職業:
国際文化交流
趣味:
カレー
自己紹介:
インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]

Template by MY HEALING ☆彡