忍者ブログ
えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
[34] [33] [32] [31] [30] [29] [28] [27] [26] [25] [24]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

4月14日から1泊で、4度目となるアレキ出張。現代日本工芸展が13日に終了したので、その撤収作業のために、現地事務スタッフ1、セキュリティスタッフ2、運転手1と自分の5人で出かけた。


会場となった美術館、共催者のエジプト文化省との間で、業務の進め方をめぐってゴタゴタが続き、毎回のことながら苦労の多いイベントとなった。インドでもしかり、日本のスタンダードでは何でもない当たり前の作業が、こんなにもドラマチックに展開することに慣れてしまうと、帰国後のリハビリがいよいよ大変なことになるかもしれない。

一番驚いたのは、先方の主張を受けて月曜日を休館としたのに、月曜日に作品を見たという”アーティスト”から事務所に電話がかかったきたこと。月曜日に閉じるか閉じないかというシンプルきわまりない論点も、カイロからの電話ではまったく埒があかないため、高価な工芸作品の安否を第一に考え、最後の月曜日にも「うちが雇った」警備員をはりつけることにした。

美術館に着すぐに、ダッシュして作品の状況をチェック。盗難、破壊は、幸いにも、一件もない。約2時間かけて64点の作品を梱包、さらに1時間ほどかけて木箱をボルトでロックし、最後の2時間で木箱16箱および「うちがカイロからかき集めた」展示台45点を、
「うちが雇った」ポーターに2階から1階へ下ろさせ、「うちが雇った」運送業者のトラックに積み込んだ。

午後3時、晴れ晴れした気分で会場を後にし、せっかくだからと夏に予定している現代日本写真展の会場候補、Alexandria Center of Artsへご挨拶に出かけた。同じ政府系の建物と組織でこんなにも違うのかと、驚きあきれた。こちらは、1888年築のクラシックな建物に6年前に総入れ替えした新しい設備・機材が納められ、良質な環境で展示、舞台公演、映画上映、講演会、シンポジウム、ワークショップなど、マルチなイベントをカバーしている。なんといっても、何十人ものスタッフがそれぞれに自分の持ち分で忙しそうに、且つ快活に動き回っている姿に感動。撤収作業のジーンズ姿のままだったので、代表者とは今回は挨拶だけと思って訪ねたが、「いつがいい?」とさっそく秘書を呼び、あれよあれよと8月初旬のスケジュールがブロックされた。

帰りの車中では、カイロっ子のスタッフ4人が、アレキサンドリアの悪口に花を咲かせる。というのも、先の展示会場から次のCenter of Artsまで行くのに、10人以上の歩行者に道を聞き、右往左往したあげく、1時間半も費やしたのだ。「10人が10人、みんな違うことを言う」というのだが、特に際立った論点は、ここアレキでは、地下道・トンネルのことを「橋」(コブリ)と呼ぶということ。「コブリまで言ったら左に曲がれ」「コブリを越えてまっすぐ行け」というようなガイドを頼りにしたもので、われらがカイロっ子はどこまで行っても橋に遭遇せず、また次の人に道を聞くことになる。
そんな言葉一つに、230キロ離れた街の文化の違いが見てとれるのが面白い。

悪口の話はこの辺にして、カイロでもアレキでも関心するのは、ここでは車中の人が気楽に車を止めて道行く人に道を聞き、聞かれた人はどんなに忙しくても立ち止まって、自分のもっている知識を総動員して一生懸命説明してくれる。この日も、オーバーヒートした車のボンネットを開けて途方にくれた人にまで、うちのスタッフは道を聞いていた。「さすがにこの人は・・・」と僕は怪しんだが、やはり、当の被害者も、ツバを飛ばしながら一生懸命教えてくれた。

この国のこの人間臭いコミュニケーションが、僕は好きになった。
PR
COMMENT
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
TRACKBACK
TrackBack URL:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[05/13 Backlinks]
[12/27 すっかる]
[12/26 やもり]
[11/25 すっかる]
[11/25 跡部雄一]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
すっかる・ちーにー・しゅがー
性別:
男性
職業:
国際文化交流
趣味:
カレー
自己紹介:
インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]

Template by MY HEALING ☆彡