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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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津軽三味線の上妻宏光さん、ピアノの塩谷哲さんが新しく作ったデュオ、AGA-SHIOのカイロ公演が終わった。
お二人のまったく新しい音楽はとても新鮮で美しく、最初はどう反応してよいかとまどっていたカイロっ子たちも徐々に持ち前のノリのよさを発揮して、終了時にはスタンディング・オベーションで盛り上がってくれた。

僕がカイロに来てから2年半、前任のインドではちょくちょくやっていた現地ミュージシャンとのコラボを、この地でもはじめてやってみた。アーティストからの希望を受けて、アラブ音楽に独自の哀愁を加えるNaiという縦笛奏者、Mahmoud Kamalさんに参加してもらった。

アラブ音楽全般にそうだというわけではないだろうが、Mahmoudさんは割りとスコア重視派で、彼がコラボを提案してきた楽曲も、Muhammad Abdel Wahaabの有名なAZIZAという、完璧にできあがった曲だった。こういう展開は、それぞれのミュージシャンが自由にふるまえるスペースが少なくて、日本側の二人にはあまり面白くなかったようだ。そこで、メインのコラボ曲としては、日本側から佐渡おけさを提案し、そのゆるいストラクチャーのなかで、自由なソロ回しやからみあいを楽しんでもらうことにした。もちろん、お客さんにとっては自分たちの曲をやってくれるのは興奮モノには違いないので、AZIZAはアンコールの最後にもっていって。

それにしても、つくづく音楽がもつボーダーを軽々と飛び越える訴求力に心躍らされる。最近、エジプトで演奏したいと声をかけてくださる素晴らしい音楽家が増えてきているのも心強く、ますます音楽交流の舞台づくりにいそしんでいきたい。

AGA-SHIOはいまもツアー中。その模様はお二人のブログで追いかけられるので、ぜひ、アクセスしてみてほしい!
上妻さん:http://agatsuma.eplus2.jp/
塩谷さん:http://plaza.rakuten.co.jp/salt2008/



ところで、事務所のウェブサイトを通じた広報にもっと自由度とフレンドリネスを付加したいと思いたち、まったくの思いつきで4月からウェブサイト付属のブログを作って、英語で情報発信を始めてみた。

http://jfcairo.wordpress.com/

英語で日記を書くというのは初めての試みなもので、なかなか更新のテンポが上がらなかったのだけれど、AGA-SHIO公演が終わってちょっと落ち着いたところで、昨日あたりから集中して新しい日記を書き込んでみると、ものすごい反応が!昨日は50件超、そして今日は120件ものアクセスがあってビックリ!

ブログといいツイッターといい、ウェブ上でのコミュニケーションのあり方が日に日に変わっていることを実感。この新しい発信方法で、エジプトの若い人たちともっと近しくなれると期待がふくらんでいる。

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先週初めて行って味をしめたMAKANに、今週もまた出かけてみた。
今回は、レギュラーではなく、スーダンからはるばるやってきてくれたSETONAさんという女性シンガーとそのバンドたち。これもやっぱり20LEで見れるなんて、いいんでしょうか??

案内には、SETONAさんの名前に枕詞で、'QUEEN OF HENNA"(ヘンナの女王)と書いてありました。
ヘンナっていうのは、たいへんいい香りのする緑色のハーブで、これを水で溶いて、専ら女性が結婚式などの儀式で手や足に美しい模様を書くやつですね。不勉強な僕は、これはインド亜大陸だけのものと思っていたら、エジプトでも一般的だし、南の隣国スーダンでも生活に根ざしているんですね。

で、このSETONAさんは、職業はプロの歌手で、ヨーロッパでもよく公演をしている世界的なアーティストだそうだですが、もう一つの顔がヘンナ・アーティストで、やはり結婚式などで、女性にヘンナを施してやるわけですが、その傍らで伝統的なダンスや歌を教えてあげたりしているのだそうです。ネット上でそんな彼女を紹介しているサイトがないかなと思って検索してみたら、You Tubeに、アルジャジーラ制作番組の映像の一部がありました。

アラビア語になってますが、イメージだけでもつかめるでしょう。


ご参考までに、MAKANからの案内文を紹介します。
Setona, also known Queen of Henna, came to Cairo in the late 80's from the Sudanese capital, Khartoum. Setona's main profession is a singer at traditional weddings, as well as on the international stage. Although she is also known for her traditional henna painting, this art also involves singing as she starts by decorating the bride with henna designs, teaching the women Sudanese dance and singing traditional songs during the ceremony itself. When she first began to sing, Setona was accompanied only by a frame drum. Today, this internationally-known performer fronts a fourteen member band, consisting of keyboard, guitar, bass, percussion, brass, section and chorus. More recently, Setona has taken her talents to the stage and cinema, performing with the Egyptian theatrical group, El Tali'aa, both in Cairo and abroad and as a film actress success in Egypt.


いや、今日のコンサート、すごかった。
SETONAさんの脳天から天空へ突き抜けるような力強い歌声、そして先週のオンム・サーメハ同様、ふくよかなお姿に満面の笑みが放つ、どこまでも陽気なオーラ。最高です。

彼女が使う楽器もまた見所。脱穀のための臼と杵。杵でガンガンと臼の底をたたきつけ、バンドアンサンブルの核のリズムを彼女がリードします。歌と音楽が、生活と地続きで繋がっていることを表しているんじゃないでしょうか。サポートするミュージシャンたちの楽器もユニークで、杵臼と並んで衝撃だったのが、金だらい。ブリキのたらいに水をはり、中にココナツのような硬い実かなにかを沈めて、それをバチでたたきます。これも、音響的にも面白い効果を出してますが、意味論的にも臼杵と同様に、台所を表象しているんじゃあないでしょうか。

SETONAさんのアルバム、
iTunesにもありましたんで、興味をもたれた方、ぜひ聴いてみてください。

通称MAKAN(マカーン)と呼ばれている、コンサート施設がある。
直訳すれば、「場所」っていうことになるのかな。

運営組織の正式名称は、Egyptianl Center for Culture and Art。
サアド・ザグルール廟のお隣にある、こじんまりとしたライブハウスのような場所。

うちのタハリールのオフィスから歩いて10分くらいなのに、2年以上カイロに住んでいて、昨日初めて訪ねてみたのだけど、そんなに長いことこの素晴らしい音楽と出会わずにいたことが残念でならないと思わせる、生きたホンモノの音楽と出会った。

エジプトの音楽に興味はあったけれど、それはすぐにオンム・クルスーム、現代でいえばアムル・ディアブといった大衆歌謡曲の世界しか知らずにいたわけで、やっぱりどの土地にも必ずあるフォークロリックな土着の豊穣な音楽世界っていうのがあるのですね。エジプトにもちゃんとありましたよ。


で、昨日のコンサートは、Naas Makan(マカーンの人々)と題して、この場所で演奏するミュージシャンが勢ぞろいして、フュージョンな世界を見せてくれるという趣向。ドラム、エレキベース、トランペット、サックス奏者が、伝統音楽に現代のノリを添えている。民謡のほうから、デルタの”ジプシー”ミュージシャンたち、そして、シャーマンの音楽Zar(ザール)のひとたち。

もう、アーシーで、かっこいいったらない!
しかも、みんなほとんど普段着!!ショービジネスできらびやらかに脚色された大衆音楽の世界とは一線を画した、生活に根ざした音楽の土地との一体感を強く感じさせる、親密な音楽だ。

そのなかでも、強烈な引力を発していたのが、ザール歌手のオンム・サーメハ(サーメハのお母さん)。本名は、Fatma Emaraさんという(帰り際に買ったCDに書いてあった)。妖艶というのでは違う。その落ち着き払った目から発しているふくよかな包容力がすごいのだ。歌がうまいとか下手とかいうテクニックの問題をはるかに超えたところで、音楽が人間とスピリチュアルな世界との間を交信する機能を果たしていて、会場全体がその豊かな空間にどこまでも酔いしれていく感覚。

これが20LE(約350円)で堪能できるなんて、贅沢すぎます。


一人で勝手に盛り上がっているのも失礼なので、Youtubeを検索してみたら、このオンム・サーメハさんの歌がいくつかアップされていたので、おすそわけします。


カイロにいる人は、現場で体感せよ!!

というわけで、火曜日はNaas Makanの日、ザール・ミュージックを単独で味わえるのは、別途水曜日。


カイロの隠れ家的なライブハウス、MAKANは、なかなかな雰囲気のある場所。単にコンサートをやっているだけでなくて、こういう活動を通じて、死に瀕しているいくつかの希少な音楽の振興をはかっています。

公演やCD販売の収入の一部が、アーティストの生活の足しになっているのですね。買ったCDのライナーノーツを読んでいると、ザールの音楽家は全国で25人、ジプシー音楽で使われる、二つの音が出る笛ARGHOULの奏者は3人しかいないらしい。

せっせとコンサートに行って、友達にも宣伝して、彼らの生活を、音楽を、守っていきましょう!


MAKANのウェブサイトは、ココ。http://www.egyptmusic.org/
ビラーディーの会でアラビア語の歌を練習しているが、せっかくW先生が単語集をまとめてくれているにもかかわらず、歌詞の意味がイマイチつかめないままだ。でもそうすると、当然にして、歌を歌うことの快楽の半分が殺がれていることになっており、自業自得とわかりつつも面白くない。

てっとりばやく英訳で意味をつかめたらいいなと思ってGoogleを検索していたら、素晴らしいブログがありましたよ!!

それが、
コレ。その名もArab Song Lyrics and Translation。たいへんな労作です。感謝感激です。

オンム・クルスームの歌も35回ポスティングされてます。

最近読んでいるオンム・クルスームの伝記的小説、"I Loved You for Your Voice"ですが、だんだん佳境に入って面白くなってきました。巻末をパラっとめくったら、そこに主人公の詩人の名前が書いてありました。Ahmad Ramyという人で、二百曲あまりあるオンム・クルスームの楽曲の半分ほどの歌詞を彼が書いているのです。愛し合いながらも、国民的大スター歌手であるがゆえに成就できない関係が、とても痛々しいです。でも、その愛憎愛半ばする関係からこそ、時を経ても廃れることのない名曲として、いまもアラブの人々に愛唱されているんでしょうね。


木曜夜、若者が自由な空気を求めて集うサーウィー文化センターで始まった第二回ロックフェスティバルの様子を覗きに行った。

前情報があまりなく、どんな催しがよくわからなかったのだが、行ってみたらアマチュアバンドのコンペだと判明。よって、演奏レベルは高くない。それでも、自分の言葉で自分の音楽を作っているのは立派なこと。

それに、母音が常に重くついてまわる日本語と違って、子音中心のアラビア語はロックの語法にけっこう自然にマッチしていて、西洋起源のロックと東洋の言葉を無理に接合するという、日本のロックが経験した苦しみはあまりなさそうな印象。

フェスティバルは5日まで。5日には、表彰式とともに、エジプトを代表するロックバンド、アンドロメダの演奏が予定されているそうだ。といっても、アンドロメダはピンクフロイドやパープルのコピー中心だと聞いていて、オリジナリティあふれる純粋アラブバンドというイメージではないのだけれど。
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