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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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7月末、夏休みで5泊6日のトルコ旅行に出かけた。トルコといっても広いのだが、今回はのんびりとイスタンブールを亀のスピードで歩いてみることにして。

都市のシステムの機能ぶりという点でみると、どう贔屓目にみても、カイロより圧倒的にすばらしい。
政治のリーダーシップに加えて、行政と市民社会との分業や連携がうまくいっているのだろう。

まずなによりも、公共交通機関の充実ぶりがすばらしい。空港から市内のホテルまで、電車とトラムを乗り継いで、とても快適に、廉価にたどりつくことができた。そのぶん、交通量もひどい渋滞にはなっていないようだし、信号や横断歩道が存在して、しかもちゃんと動いている!路上駐車で四車線が二車線になってしまっているなんていう、どこかの街で始終見かける光景にも出くわさない。

新市街には、銀座のようなホコ天、イスティクラール通りまであって、子連れで車をおそれずにリラックスしてウインドウ・ショッピングを楽しむことができた。

ここには、ロビンソー・クルーソーという、洋書もとりそろえた本屋さんがあって、目利きの店員さんがいろいろガイドしてくれる。僕は、ここで平積みで紹介されていた1940年代のトルコ語小説の英訳"A Mind at Peace"と、トミ・ウンゲラーの"The Three Robbers"を買い、それから店員さんのすすめてくれたトルコ語の絵本を3冊買った。"A Mind at Peace"の帯を読むと、「トルコにとってのユリシーズ」とあって、トルコの現代文学にとって重要な作品であることが伺われる。

そして、CD屋さんも東京のようにはいかないが、そこそこに充実。超カッコイイ男性シンガー、TARKANの新譜を購入。聞いてみたら、なんと全曲英語で歌っている。もともと世界的に有名なミュージシャンではあるが、いよいよ世界というか、英語圏への市場展開に取り組むということだろうか。勝手な意見だが、トルコ語で歌っていたときのほうが、味がある。なんだかこの英語版は、オリエンタル・フレーバーの効いたマイケル・ジャクソンみたいだ。

それから、DVDを物色していたら、近代トルコ建国の父ケマル・パシャの負の面に切り込んでタブーに迫ったとして、去年トルコでずいぶん話題になったという映画、"Mustafa"を発見!!英語字幕つきということなので、文句なしに購入!

こんな感じで、ずいぶん満足度の高い買い物ができた。

歴史的建築物の見物も楽しかった。トプカプ宮殿は、丸一日かけて、日本語の音声ガイドを聞きながら、のんびりと見て歩いた。宝物殿の驚くばかりの装飾品は、インドや中国から献呈されたものもあって、こういうモノの存在感が、帝国の実態というか、パワーを実感させてくれる。そしてもっと驚いたのが、預言者ムハンマドの外套、ターバン、剣、そしてヒゲまでもが保存されていることだ。6世紀さかのぼったイエスの所持品は残っていないから、預言者というのはなんとなく、教えだけが残って姿かたちがイメージしにくい感じがしていたから、ムハンマドのヒゲとか言われても、僕ら異教徒にはマユツバとしか思えない。トルコ人やアラブ方面からの観光客たちが、食い入るように見つめていて、このコーナーだけ渋滞がひどいことになっていたのも、印象的だった。

ブルーモスクの装飾も、息を呑むような美しさだ。イズミックタイルの青が、照りつける太陽に熱せられた外気の存在を忘れ去れんばかりにすがすがしい。オスマン朝時代、イスタンブールからカイロに派遣されたパシャが、お里恋しさのあまり「ガーマー・アズラク」(青のモスク)というモスクを建てさせたというが、本家のブルーモスクの美しさに触れた後では、それも納得がいく。

世界三大料理とされるトルコ料理も、とまらないおいしさ。でも、モノはシリア、レバノン、そしてエジプトで食べられているものとほとんど同じ規格なのだ。東からやってきた遊牧民が打ち立てた帝国がときとともに周囲の文化を吸収して洗練させていったのが、オスマントルコの歴史であって、最初からトルコ人がここまでの域の文明をもっていたわけではない。彼らが最初に範としたのは、文明の十字路として紀元前から高度な文明を発展させてきたシリアなどであっただろう。トルココーヒーだって、もとをただせば、オスマントルコがシリアから輸入したものだという。中国もしかり、帝国というのは周囲のオイシイものたちを貪欲に吸収して、最高の洗練まで引き上げていくものなのだと、頭ではなく、舌と胃袋で実感したのだった。

しかも7月だというのに暑くないイスタンブール。これではカイロに戻りたくなくなるかと思ったら、1年半も住んだこちらの歴史都市にもなかなかな愛着をもってしまったようで、カオティックでどこか田舎くさいエジプシャンに、ほっと懐かしい気持ちが沸いてきたりもしたのだった。

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