えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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クリスマス・イブに入国し、これで3度目のアレキサンドリアとは、なかなか快調に飛ばしている。今回は、「現代日本の工芸展」と題して世界を巡回するコレクションを当地の現代美術館で展示するための出張だった。
アレキサンドリアは、その名のとおりアレキサンドリア大王が開いた港町で、グレコローマンの貴重な遺跡がそこここにある。そして、なにせ地中海。海と空は青々と輝き、魚が上手い。イタリアに来たのではないかと勘違いしそうなくらいだ。
かつて文化が栄えたこの町には、今も芸術家が好んで住みつき、そしてユネスコの支援で再建されたアレキサンドリア図書館(Biblioteka Alexandoria)がこの町の文化の中心に構えている。11月に日本とアラブ諸国の識者が集った日・アラブ会議は、この図書館を舞台にして行われた。
そんな町の現代美術館だから、建物はかつての宮殿を利用してとても立派。でも、設備はちょっと不十分。今回もっとも苦しんだのは、作品64点を載せるためのスタンドの確保だった。1月に下見をかねて館長と打ち合わせたときには、ここには10点ほどしかスタンドがないという。そんなわけで、僕らはカイロの美術館に頭を下げて、2つの施設から45台のスタンドを借り受けることに成功した。写真は、ゲジーラ・アート・センターから15台を運び出しているところ。
オープニングを3月27日午後7時に設定し、僕らスタッフは26日の朝9時にカイロを経った。作品のなかに漆器が含まれているため、木箱を開けたあと24時間は段ボールを開梱しないよう指示が出ていて、この日の作業はフロア・プランにあわせてスタンドとパネルを設置するところまで。これだけの作業のために、夜の8時半までかかったのは予想外だった。美術館の人手が足りず、木箱を1階から2階に運び上げるために、近ばの駅からポーターを4人ばかり連れてこなければならなかったり。はたまた、美術館保有のスタンドには塗装してくれたのに、カイロで僕らがかき集めたほうにはノータッチだったり。思うようにいかない一日で、フラストレーションが蓄積した。
それをふきとばすように、9時すぎからスタッフ全員で魚料理のレストランに出かける。お目当てのレストランを発見できず、海沿いのコルニーシュ通りで車を止めて街の人に道を聞く。親切で陽気なおじさんが、僕らが探しているのとは別の「アルース・エル・バハル(「海の花嫁」で人魚の意)」を絶賛するので、さらに30分ほど迷いつつ、10時過ぎにたどり着く。探し歩いた甲斐あって、そこで注文したエビと舌平目のフライは絶品だった。ホテルにチェックインしたら、11時半をまわっていた。
翌日は、予想以上に時間がかかることを見込んで、朝9時から作業開始。館のスタッフの手をほとんど借りることなく、6人の基金スタッフで効率よく作品を並べ、午後1時までには展示を完了。あとは照明を残すのみとなった。
照明のスタッフは午後2時半ころから始動。いい具合に腐ってよくしなる3メートルはある木製の脚立をもって、二人の若いお兄ちゃんがかけつける。フラフラしながら上のライトにぶつけたり、作品のすぐそばに急接近したり、見ている者をハラハラさせる作業ぶりだ。こちらは気が気でなく、脚立と作品の間に立って万が一に備えるが、先方は平然と猿のように、しなりの良いハシゴをスルスルと昇降し、ジャグラーのように上と下から電球を放り投げる。脚立の脚をよく見ると、真ん中あたりで折れて、ロープで接ぎ木されている。自分が昇ることは、イメージすらできない恐ろしいハシゴであった。
気のいい師匠のおじさんと若いヤンチャなおにいちゃんが3人で、ほぼ3時間かけて、照明作業が完了。開会式の30分前のことだった。
美術館の招待者、アレキサンドリア-日本友好協会のメンバー、アレキサンドリア名誉総領事館のメーリング・リストから、80名近い美術愛好家たちが出席し、主賓には文化省美術局長で自らもアーティストであるモフセン・シャーラン氏がカイロよりいらして、にぎやかな開会式となった。誰もが、工芸品に技巧と個性的表現を盛り込む日本人の徹底ぶりに驚嘆し、惜しみない賛辞の言葉をかけてくれた。
この日もまた、前日に探し出せなかった魚料理店、カッドゥーラを見つけだし、エビ、イカ、スズキに舌鼓をうった。アウェイでのプロジェクトは行ってみるまで予測がつかないことが多く、苦労が多かったが、アレキの土地の魅力はそれを補ってあまりあった。
帰途、アレキとカイロを結ぶハイウェーを、今春はじめての巨大な砂嵐(ハマシーン)が襲った。これが過ぎ去れば、いよいよ本格的な夏到来だ。
アレキサンドリアは、その名のとおりアレキサンドリア大王が開いた港町で、グレコローマンの貴重な遺跡がそこここにある。そして、なにせ地中海。海と空は青々と輝き、魚が上手い。イタリアに来たのではないかと勘違いしそうなくらいだ。
かつて文化が栄えたこの町には、今も芸術家が好んで住みつき、そしてユネスコの支援で再建されたアレキサンドリア図書館(Biblioteka Alexandoria)がこの町の文化の中心に構えている。11月に日本とアラブ諸国の識者が集った日・アラブ会議は、この図書館を舞台にして行われた。
そんな町の現代美術館だから、建物はかつての宮殿を利用してとても立派。でも、設備はちょっと不十分。今回もっとも苦しんだのは、作品64点を載せるためのスタンドの確保だった。1月に下見をかねて館長と打ち合わせたときには、ここには10点ほどしかスタンドがないという。そんなわけで、僕らはカイロの美術館に頭を下げて、2つの施設から45台のスタンドを借り受けることに成功した。写真は、ゲジーラ・アート・センターから15台を運び出しているところ。
オープニングを3月27日午後7時に設定し、僕らスタッフは26日の朝9時にカイロを経った。作品のなかに漆器が含まれているため、木箱を開けたあと24時間は段ボールを開梱しないよう指示が出ていて、この日の作業はフロア・プランにあわせてスタンドとパネルを設置するところまで。これだけの作業のために、夜の8時半までかかったのは予想外だった。美術館の人手が足りず、木箱を1階から2階に運び上げるために、近ばの駅からポーターを4人ばかり連れてこなければならなかったり。はたまた、美術館保有のスタンドには塗装してくれたのに、カイロで僕らがかき集めたほうにはノータッチだったり。思うようにいかない一日で、フラストレーションが蓄積した。
それをふきとばすように、9時すぎからスタッフ全員で魚料理のレストランに出かける。お目当てのレストランを発見できず、海沿いのコルニーシュ通りで車を止めて街の人に道を聞く。親切で陽気なおじさんが、僕らが探しているのとは別の「アルース・エル・バハル(「海の花嫁」で人魚の意)」を絶賛するので、さらに30分ほど迷いつつ、10時過ぎにたどり着く。探し歩いた甲斐あって、そこで注文したエビと舌平目のフライは絶品だった。ホテルにチェックインしたら、11時半をまわっていた。
翌日は、予想以上に時間がかかることを見込んで、朝9時から作業開始。館のスタッフの手をほとんど借りることなく、6人の基金スタッフで効率よく作品を並べ、午後1時までには展示を完了。あとは照明を残すのみとなった。
照明のスタッフは午後2時半ころから始動。いい具合に腐ってよくしなる3メートルはある木製の脚立をもって、二人の若いお兄ちゃんがかけつける。フラフラしながら上のライトにぶつけたり、作品のすぐそばに急接近したり、見ている者をハラハラさせる作業ぶりだ。こちらは気が気でなく、脚立と作品の間に立って万が一に備えるが、先方は平然と猿のように、しなりの良いハシゴをスルスルと昇降し、ジャグラーのように上と下から電球を放り投げる。脚立の脚をよく見ると、真ん中あたりで折れて、ロープで接ぎ木されている。自分が昇ることは、イメージすらできない恐ろしいハシゴであった。
気のいい師匠のおじさんと若いヤンチャなおにいちゃんが3人で、ほぼ3時間かけて、照明作業が完了。開会式の30分前のことだった。
美術館の招待者、アレキサンドリア-日本友好協会のメンバー、アレキサンドリア名誉総領事館のメーリング・リストから、80名近い美術愛好家たちが出席し、主賓には文化省美術局長で自らもアーティストであるモフセン・シャーラン氏がカイロよりいらして、にぎやかな開会式となった。誰もが、工芸品に技巧と個性的表現を盛り込む日本人の徹底ぶりに驚嘆し、惜しみない賛辞の言葉をかけてくれた。
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帰途、アレキとカイロを結ぶハイウェーを、今春はじめての巨大な砂嵐(ハマシーン)が襲った。これが過ぎ去れば、いよいよ本格的な夏到来だ。
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