えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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「どうせマニュアル集計なんだから、今日は結果出ないでしょ。」
憲法改正の国民投票が大きな事故なく終わった翌日の20日。事務所で僕らはそんな言葉を交わして、およそこういうことには日本的なスピード感は期待しちゃいけないのよ的に、失礼な上から目線で状況を見ていた。
そしたら、帰宅前の午後8時頃、警備スタッフのAさんがやってきて、7割賛成で開票が終わったと言うのでびっくり。びっくりしたのは結果が出た早さだけじゃなく、その結果そのものに対してもだったけれど。
民間の小規模な世論調査で反対が優勢と言われていた。でも、それは都市の革命運動に積極的に参加したような若者層にかたよった調査だったかもしれないし、地方都市や村の人たちの考えまではすくいきれないだろうと思ったので、ド素人の見立てで結果は五分五分と踏んでいたのだ。でも結果は77.2%、8割近くが改正案に賛成を投じた(リンク:"Egypt referendum results: 77.2 per cent say 'Yes' to the amendments", Ahram Online)。このまま軍が設定したスケジュールで政治プロセスが進んでいくと、来るべき議員選挙では既に政党としての基盤をもっているムスリム同胞団と国民民主党(の残党)以外が進出することがとても難しい、ということはアムル・ムーサ、エルバラダイなど多くの識者が言っていることで、世間にも随分浸透していると思ったのだけど、革命の第一章が終わったばかりのこの国の世論の総和は、新しい世俗的な民主政党が台頭するまで待っていられない、それよりは早く治安や経済が安定して、普通に仕事が出来て学校に行けるようにしてほしい、というものだったのだろうか。
そんな感慨もヨソモノの戯れ言。はじめて民主主義を手にして誇りをもって投票に臨む人の群れ、また群れ。19日の夕方5時、投票所となった自宅そばの学校のまわりで数百メートルにわたって行列をつくる住民の姿は、誕生したばかりの民主主義の力強い息吹を感じさせるに十分な爽快な光景だった。
そして、この数千人のエジプト人たちが、文句ひとつ言わず、ほほえみを浮かべてちゃんと順番を守って待っているのがまた驚き。こんなふうにじっと行列を作るのは日本人と英国人くらいじゃあなかったのか??手に入れた価値の尊さをひとりひとりが実感しているからなのだろうな。こんな生まれたてで元気の良いデモクラシーと一緒に歩めるエジプト人はいいなと、心底うらやましくなって、ニヤニヤしながらその場所を後にしたら、路上売店のおにいちゃんに「なにヘラヘラ笑ってんだよ!」といちゃもんをつけられた。
ただ、残念な報道もあった。委員会の押印のない投票用紙があって、しかも係官がめんどくさがったのか投票者に署名させる形でその投票用紙を使わせてしまったという。この記事からはどのくらいの規模でこんなことが起こったのかはわからないが、規模にかかわらずひとりでもそんな形で国政に対する最初の大切な意思表示を阻まれてしまった人がいたことが残念。ちゃんとした調査を通して、繰り返しのないことを期してほしいと思う(リンク:"Irregularities in Egyptian vote?", ALJAZEERA)。
もうひとつ残念だったのは、投票にやってきたエルバラダイが住民に石を投げつけられて投票できずに立ち去ったという報道。どんな政治信条をもっていようとも、他と同じ一票を行使できるのがデモクラシーでしょ?それをいまここで実践してるんなら、どうしてそんなことが出来るんだい??
8000万人のデモクラシーはあちこちつまづきながら、歩き始めたばかりなのだった。
憲法改正の国民投票が大きな事故なく終わった翌日の20日。事務所で僕らはそんな言葉を交わして、およそこういうことには日本的なスピード感は期待しちゃいけないのよ的に、失礼な上から目線で状況を見ていた。
そしたら、帰宅前の午後8時頃、警備スタッフのAさんがやってきて、7割賛成で開票が終わったと言うのでびっくり。びっくりしたのは結果が出た早さだけじゃなく、その結果そのものに対してもだったけれど。
民間の小規模な世論調査で反対が優勢と言われていた。でも、それは都市の革命運動に積極的に参加したような若者層にかたよった調査だったかもしれないし、地方都市や村の人たちの考えまではすくいきれないだろうと思ったので、ド素人の見立てで結果は五分五分と踏んでいたのだ。でも結果は77.2%、8割近くが改正案に賛成を投じた(リンク:"Egypt referendum results: 77.2 per cent say 'Yes' to the amendments", Ahram Online)。このまま軍が設定したスケジュールで政治プロセスが進んでいくと、来るべき議員選挙では既に政党としての基盤をもっているムスリム同胞団と国民民主党(の残党)以外が進出することがとても難しい、ということはアムル・ムーサ、エルバラダイなど多くの識者が言っていることで、世間にも随分浸透していると思ったのだけど、革命の第一章が終わったばかりのこの国の世論の総和は、新しい世俗的な民主政党が台頭するまで待っていられない、それよりは早く治安や経済が安定して、普通に仕事が出来て学校に行けるようにしてほしい、というものだったのだろうか。
そんな感慨もヨソモノの戯れ言。はじめて民主主義を手にして誇りをもって投票に臨む人の群れ、また群れ。19日の夕方5時、投票所となった自宅そばの学校のまわりで数百メートルにわたって行列をつくる住民の姿は、誕生したばかりの民主主義の力強い息吹を感じさせるに十分な爽快な光景だった。
そして、この数千人のエジプト人たちが、文句ひとつ言わず、ほほえみを浮かべてちゃんと順番を守って待っているのがまた驚き。こんなふうにじっと行列を作るのは日本人と英国人くらいじゃあなかったのか??手に入れた価値の尊さをひとりひとりが実感しているからなのだろうな。こんな生まれたてで元気の良いデモクラシーと一緒に歩めるエジプト人はいいなと、心底うらやましくなって、ニヤニヤしながらその場所を後にしたら、路上売店のおにいちゃんに「なにヘラヘラ笑ってんだよ!」といちゃもんをつけられた。
ただ、残念な報道もあった。委員会の押印のない投票用紙があって、しかも係官がめんどくさがったのか投票者に署名させる形でその投票用紙を使わせてしまったという。この記事からはどのくらいの規模でこんなことが起こったのかはわからないが、規模にかかわらずひとりでもそんな形で国政に対する最初の大切な意思表示を阻まれてしまった人がいたことが残念。ちゃんとした調査を通して、繰り返しのないことを期してほしいと思う(リンク:"Irregularities in Egyptian vote?", ALJAZEERA)。
もうひとつ残念だったのは、投票にやってきたエルバラダイが住民に石を投げつけられて投票できずに立ち去ったという報道。どんな政治信条をもっていようとも、他と同じ一票を行使できるのがデモクラシーでしょ?それをいまここで実践してるんなら、どうしてそんなことが出来るんだい??
8000万人のデモクラシーはあちこちつまづきながら、歩き始めたばかりなのだった。
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