えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。
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4月1日金曜日。タハリール広場が一掃されてから元気がなくなっていた革命勢力が沈黙を破って、50,000人も再結集した。ムバラクやとりまきの早急の裁判と抗議集会禁止令の撤回など、最近歩みののろくなった改革を軍と臨時政府に求めるものだった。4月8日に百万人規模のデモを行うと警告しつつ改革を促す戦術と言われていたが、勢いで行ってしまったのだろうか。そのために当局へのプレッシャーとして微妙なサイズになってしまい、1週間後のデモ組織に悪影響を与えたのだとしたら残念だけれど。
成り行きでタハリールに居合わせデモに参加したうちのドライバーさんによると、一団の大半は世俗的な民主化要求を掲げる人たち(4月26日運動、キファーヤなど)だったけれど、なかに超イスラム原理主義者グループ(Salafist)が混じっていて、フセイン・モスクやサイイダ・ゼイナブなどの聖者をまつるモスクに安置される棺の撤去を叫んでいたとか。この人たちはキリスト教など異教を排除したいだけでなく、古代エジプトから面々と受け継がれてきたエジプト人がもつ多神教的民間信仰をも一掃させたいらしい。19日の憲法改正国民投票でも改革派の投票妨害をしたなど、最近存在感が増してきているのが気になる。
さて、3月31日から4月3日まで、タハリール広場そばのCairo American University旧キャンパスにて、Tahrir Book Fairなる本の祭典が開催中。Book Fairといえば歴史あるCairo International Book Fairがあるが、今年は革命のためにキャンセルとなってしまったため、革命を記念し、書籍への自由なアクセスによる市民啓蒙を訴える機会として、20世紀初頭からエジプトに根をはるこれまた歴史あるアメリカン大学が、これにとってかわったBook Fairを企画したものらしい。キャンパスのガーデンに欧米系の大使館や出版社がブースを10店くらい開いている、ごく小規模なイベントだったけれど、ステージが作られ、ライブやレクチャーなどいろんなイベントが用意された、開放感あふれる場になっていた。Sout El HorreyaのWust El Baradも演奏したようだ。
期間中は、ここのBookshopの本が全品2割引になっているのも嬉しい。新刊の棚にあった、"ON THE STATE OF EGYPT", Alaa Al Aswanyと、"Egypt in the Era of Hosni Mubarak", Galal Amin、そして、その名も"TAHRIR"と題した1月25日革命が繰り広げられたタハリール広場のスナップを集めた2012年カレンダーを購入。世界各国の言語に翻訳のある両名だけに、著者もAUC Pressもエジプトが世界から注目されているうちに直近の社会時評を世に出しておきたいと思ったに違いない。前者は2009年頃からの著者のエッセイを編集したもの、後者は革命後に著者が新聞に連載したエッセイをまとめたもので、どちらも正しく「現在」を論じたものではないが、ジャーナリズムとは違う次元で現時点での総括的時評をエジプト人知識人から聞きたいという要望に応えたものといえるだろう。
さて、この革命によって、文学、演劇、美術など芸術表現の世界にどのくらい自由な場が生まれてくるのか、これがもう少し中長期的な関心事項なのだが、この点について作家たちの肉声をひろっているAl Masry Al Youmの記事がなかなか面白かった(リンク: )。
取材されたほとんどの作家が、革命による表現の自由の保障については楽観的な様子だが、一方で、政府ではなく市民による検閲の行方については不透明との観測をしている。特にイスラム教徒がマジョリティの国ということもあって、性表現と預言者やイスラームへの批判や中傷については寛容になりきれない。革命前も、作品が発禁に追い込まれる経緯は、たいていが市民からの告発によるものだったようで、だとすると、今後も体制批判という方向では何でも言えるようになっても、性や信条など人間の本性を問う文学にとっては、タブーとの厳しい闘いは続いていくのかもしれない。
成り行きでタハリールに居合わせデモに参加したうちのドライバーさんによると、一団の大半は世俗的な民主化要求を掲げる人たち(4月26日運動、キファーヤなど)だったけれど、なかに超イスラム原理主義者グループ(Salafist)が混じっていて、フセイン・モスクやサイイダ・ゼイナブなどの聖者をまつるモスクに安置される棺の撤去を叫んでいたとか。この人たちはキリスト教など異教を排除したいだけでなく、古代エジプトから面々と受け継がれてきたエジプト人がもつ多神教的民間信仰をも一掃させたいらしい。19日の憲法改正国民投票でも改革派の投票妨害をしたなど、最近存在感が増してきているのが気になる。
さて、3月31日から4月3日まで、タハリール広場そばのCairo American University旧キャンパスにて、Tahrir Book Fairなる本の祭典が開催中。Book Fairといえば歴史あるCairo International Book Fairがあるが、今年は革命のためにキャンセルとなってしまったため、革命を記念し、書籍への自由なアクセスによる市民啓蒙を訴える機会として、20世紀初頭からエジプトに根をはるこれまた歴史あるアメリカン大学が、これにとってかわったBook Fairを企画したものらしい。キャンパスのガーデンに欧米系の大使館や出版社がブースを10店くらい開いている、ごく小規模なイベントだったけれど、ステージが作られ、ライブやレクチャーなどいろんなイベントが用意された、開放感あふれる場になっていた。Sout El HorreyaのWust El Baradも演奏したようだ。
期間中は、ここのBookshopの本が全品2割引になっているのも嬉しい。新刊の棚にあった、"ON THE STATE OF EGYPT", Alaa Al Aswanyと、"Egypt in the Era of Hosni Mubarak", Galal Amin、そして、その名も"TAHRIR"と題した1月25日革命が繰り広げられたタハリール広場のスナップを集めた2012年カレンダーを購入。世界各国の言語に翻訳のある両名だけに、著者もAUC Pressもエジプトが世界から注目されているうちに直近の社会時評を世に出しておきたいと思ったに違いない。前者は2009年頃からの著者のエッセイを編集したもの、後者は革命後に著者が新聞に連載したエッセイをまとめたもので、どちらも正しく「現在」を論じたものではないが、ジャーナリズムとは違う次元で現時点での総括的時評をエジプト人知識人から聞きたいという要望に応えたものといえるだろう。
さて、この革命によって、文学、演劇、美術など芸術表現の世界にどのくらい自由な場が生まれてくるのか、これがもう少し中長期的な関心事項なのだが、この点について作家たちの肉声をひろっているAl Masry Al Youmの記事がなかなか面白かった(リンク: )。
取材されたほとんどの作家が、革命による表現の自由の保障については楽観的な様子だが、一方で、政府ではなく市民による検閲の行方については不透明との観測をしている。特にイスラム教徒がマジョリティの国ということもあって、性表現と預言者やイスラームへの批判や中傷については寛容になりきれない。革命前も、作品が発禁に追い込まれる経緯は、たいていが市民からの告発によるものだったようで、だとすると、今後も体制批判という方向では何でも言えるようになっても、性や信条など人間の本性を問う文学にとっては、タブーとの厳しい闘いは続いていくのかもしれない。
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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。
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