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えじぷとの文化、芸術、エンターテインメント堪能記です。 twitter: @sukkarcheenee facebook: http://www.facebook.com/koji.sato2
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1年ちょっと前エジプトにやってきて右も左もわからないときに、ほとんど唯一といって良い民間の文化施設、EL SAWY CULTURE WHEEL(通称SAKIA=アラビア語でWHEELの意)を訪ね、オペラハウスなど政府経営のそれとは違う客層と自由な空気を感じた。直感的に、ここがエジプトの文化活動の拠点だということが感じられた。

右も左もわからないまま代表のモハンマド・サウィーさん、スタッフのドニカさんらから、2月のSAKIA5周年にブースを出してくれと頼まれた。ただ机に資料をのせとくだけではつまらないので、何か楽しめることをやろうと思って、折り紙と凧づくりのワークショップをやった。他のほとんど全てのブースが机に資料をのせとくだけだったせいもあって、日本のブースに人だかりができて、大忙しとなった。

これがきっかけで、SAKIAで折り紙講座をはじめた。うちの若くて吸収力のあるエジプト人スタッフに勉強してもらって、にわかじこみの先生になってもらった。そして、1ラウンド3回の講座の最後の会に、アレキサンドリアに住む折り紙の天才、オサマくんに出講してもらうことにした。4月から3ラウンド目の講座をはじめるが、すでにSAKIAの折り紙講座はけっこう話題になっていて、申し込みが殺到すること間違いない。

5周年をやったということは、次は10周年だろうから、自分はエジプトにいないかもしれない、などと思っていたら、6周年の案内とともに、またブース出店の依頼が舞い込んできた。あ、毎年、やるのね。はい、おつきあいしますよ、あなたとは!

ということで、今年も、2月25日と26日の二日間、折り紙を折った。老若男女が足を止め、最初はおっかなびっくり、だんたんと興がのってきて真剣に、1枚の紙と格闘した。何人かのお客さんから、日本人が折り紙など精緻な作業ができるのは遺伝だと思う、と強弁され、間違っても生物学的遺伝などではないと否定するが、なかなか譲ってくれない。親の世代から子の世代へ、家庭、学校、公民館などの共同体の機能を通じて文化的継承がなされてきたという意味で、これを「文化的遺伝」と呼ぶならば、間違ってないかも、というような話をした。日本は特殊である、日本人は優れている、というナショナリズムを満足させるためにやっている仕事ではない。日本の土地ではぐくまれた優れて創造性と教育効果の高い文化ツールを、世界の多くの人たちに楽しみながら共有してもらいたい。そういう思いで、一見地味な折り紙普及を続けている。その活動を、カイロの若者にとってほとんど唯一自由な文化発信の場といって良いSAKIAでやれることに、意味であると思っている。

26日、午後9時から、室内のホールでは世界屈指のイラク人ウード奏者、ナシール・シャンマの公演があった。ナシール氏がカイロに亡命し、この地にウード・ハウスを開校して10周年を記念した公演は、教え子30人をバックに従えた贅沢なアンサンブルだった。ほぼ月1の頻度でナシール・シャンマが聞けることは、SAKIAの売りの一つだ。他方、もう一つの極には、アラブポップが市場を独占するなか音楽活動の場が与えられないロックやヒップホップなど若者の音楽の発信基地であるという、この国特有のニーズに基づく活動がある。後者の事情は、やはりボリウッド映画音楽に独占されたインド音楽市場にも共通していて、ロックなど新しい音楽の場を作るために、Friends of MusicなどのNPOが郊外のファームハウスや大学の校庭を借りてコンサートを展開していた。そこで、国際交流基金で現代モノの音楽をやるときには、彼らと組んで、新しいカルチャーに飢えた若者たちに直接届けるようにした。これから先、エジプトで現代モノをやるときには、やはりSAKIAがその舞台としてふさわしいと思っている。

SAKIAでは、去年7月、現代日本写真展を開催し、アラーキーや森本大道、橋口譲二などの写真を紹介した。日本写真協会の協力を得て、写真評論家の平木収さんにお越しいただいて、SAKIAとアレキサンドリアで講演いただいた。SAKIAには100人近い写真愛好家が集まり、熱心に耳を傾けてくれた。SAKIAの6周年を祝い、折り紙を折っていたさなか、2月24日に平木さんが亡くなったという悲報を受けた。勝手な跡付けを承知で、SAKIAの6周年に参加できたことが、自分なりの弔いになればと思った。


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インドで4年生活し、今度はエジプトへ!この国の人々の生態、面白情報をお届けします。

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